□月 ●日  No917 時間差バレンタイン


今更、机の上にバレンタインのチョコが置いてある。 
誰が置いたのかと周囲に尋ねたら明羅女史と言われてどきりとする。
一瞬だが気があるのか思った妄想は北白河がすぐに潰してくれた。
何でも幻想郷に行っている間に大量のチョコが机の上に置いてあったらしい。
所謂逆チョコと言う奴だろう。


北白河に今更ながら今年もなしですかと尋ねたら 机の中にあると言われてびっくりする。
嘘だと思って机の中を見たら本当に入っている。 パチンコで勝ったから入れたと言うのが彼女らしい。
考えてみればわかることだが基本的に事務方の北白河は土日休みである。
入れて貰っただけ遙かにマシだということだろう。


朝倉が困惑した顔をしていた。 彼女もまたチョコを貰ったらしい。
もちろん明羅女史からだ。 本人に邪気がないとは分かっているがこれでは明らかに嫌味ったらしい。
恐らく一人で食べきれないほど貰ったのだろうか。
浅間が彼女は貰ったものを他人にあげる真似はしないと言っていた。 朝倉と私のチョコをよく見たら
ちゃんと同じパッケージだった。 そういうことなのか。


ここでふと思った。 何故彼女がその事実を知っているのだろうか
二人で聞いたら、明羅女史は貰ったチョコのあまりを溶かして新しくチョコを作っていたようだ。
これにはみんなで参った。
食べると色々混じっているようで何とも言えない味だった。
朝倉が負けたと言うのを初めて見た。


北白河からホワイトデーよろしくねと念を押された。
なんか喜んでいいか分からなくなった。
朝倉がそろそろ私の仲間入りが近いとほくそ笑んでいた。