□月 ●日  No918 銘菓をつくろうぜ


博麗神社の参拝客が少なすぎるというわけでボスの指示で対策を練ることになる。
ここ最近、長期間不在だったり妖怪が住み着いたりとネガティブな事件ばかり起こっているので
どうにかしたいところだ。


とりあえず知り合いの人妖たちに相談してみる。
自称現人神が外の世界で銘菓を出している神社があるので真似しようと言うことになり
博麗の巫女の趣味でまんじゅうを売り出すことになった。
売れなくても自分の胃袋に入れられるという理由が彼女らしい。


まんじゅう作りは明羅女史や自称現人神など料理得意組に任せることにする。
本当は霧雨のご息女も料理が上手いらしいのだが、無難さ重視である。
程なくしてまんじゅうは完成。 美味しい蕎麦まんじゅうができあがった。


しかしこのままではやはりそこら辺から仕入れたまんじゅうにしか見えない。
明羅女史が紅葉まんじゅうのように形を作ろうと言う案が通った。
それがどこをどうしたのか、出来たのは博麗の巫女と霧雨のご息女の生首だった。
すっかり忘れていた。 自称現人神も明羅女史も絵心はてんで駄目だったのだ。


どうしようと途方に暮れていたところ、運悪く霧雨のご息女が乱入してきた。
三人でやばいと思ったのだが、思った以上に好評だった。
が、何を考えたのか、とんでもないことを口にした。


魔法の力で動くギミックをつけようということになったのだ。
まさに幻想郷ならではのギミック。 ただのまんじゅうでは売れないから
何かしらの仕掛けがあるべきと言うのである。
確かに人形遣いのアリスの魔法技術を応用すれば動くまんじゅうはできるはず。
しかしそんなことをしたら誰が見ても不気味すぎるだろう。
霧雨のご息女はアリスに相談すると言ってどこかへ行ってしまった。
程なくアリスはやってきた。 とりあえずアリスの常識力に期待。


した私が馬鹿だった。
かくしてこのまんじゅうは動くまんじゅうになった。
ぴょんぴょん跳ねるだけの代物だがそれでもシュールすぎる。


で、このまんじゅうがどうしたって。
結局博麗の巫女が命名したゆっくりまんじゅうはまあまあ売れたが、不気味だと言うことで返品が相次いだ。
後でみんなで食べる羽目になったが、まあまあ美味くてとりあえず満足できた。
食べるのをいつまでも躊躇っているアリスをのぞいて。