□月 ●日  No1088 マスクド霊夢


とりあえずこの風景を想像して欲しい。
岡崎が額に「ち」と書かれた白いマスクを付けて、自ら「マスクドちゆり」と名のっている。
一体何がしたいのか本気で判らない。
事務仕事はきちんと行うので取り敢ず安心ではある。


だが何故か、ボスも朝倉も魂魄も、そして冴月も気づかない。
浅間やメリー、レンコはなんて声を掛けていいのか判らないようだった。


技術部の方では白いマスクをつけた誰が見ても北白河が、頭に「夢」と書いたマスクを
付けている。 何やっているんだと尋ねたらこっちを見るなと言われた。
しかし河童達は入れ替わっている事に気づいていないようだった。


明羅女史が無言で私にメモ帳を渡してきた。
新型変装道具のテストと書いてあった。 
なんでもこのマスクを被ると、妖怪や妖精たちには別の人間として見えるらしい。
元人間であるはずの朝倉はさておいて、効果があるようだから不思議である。


幻想郷に行こうとしたらマスクを渡された。
嫌な予感はしていたがかぶれと言うことか。
マスクの額には「霊」と書いてあった。 嘘だろ。


朝倉がニコニコしながら被れと言うのでしぶしぶ従う。
仕方なく被ってみると、客が皆「とうとうバイトをしないといけないくらい食い詰めたのか
と口々に言われた。 なんかものすごく悲しくなった。
一応、私は巫女のコスプレをしているわけではない。 
だが霧雨のご息女までもが博麗の巫女と思って話しかけてきたのにはびっくりした。
なぜ判らないんだ。 いや本当に。


自称現人神からは腹を抱えて笑われた。
嬉しくなって、心の友よと言ってハグのジェスチャーをしたら思いっきりどつかれた。
とほほ。