□月 ●日  No966 決算直後の風物詩


うちで扱っている商品のメーカーさんが逝く。 幻想郷でのサポートのための資料集めに追われる。
商品を扱うためにメーカーに電話したとき、電話が通じなかったのはそのためかと感じ入る、
幻想郷で商品を扱う以上メーカーが倒産したからサポートしないと言うわけにはいかないので
部品類を買い取れないかと持ちかけてみる。
幸い、借金取りの天狗が在庫の一部を押さえていることが判ったのは良かった。


もちろん前兆はあった。 資料集めを始めたのも会社が潰れる一週間前の話だ。
こうした話は銀行ルートや取引先ルートから色々出てくる物だ。
もっともそう言う話が出るときは色々と手遅れである。
またお金の流れが危なくなることが多い。 
手形を発行したり、街金からお金をつまみだしたりしたら赤信号だろう。
ある日突然会社がなくなるというのは、最初から騙したりしようとするのではないかぎり
余りないと思う。
要はきちんとアンテナを立てていられるかどうかである。


妖怪にこの商品が扱えなくなったと伝えるのが心苦しい。
作っているところが潰れたと言っても、会社という物を理解していない妖怪もいるので
そうだったら、作ればいいでしょうと言ってごねる者がいるからだ。
運良く幻想郷に流れ着いてくれると助かるのだが、そうはいかないので
どうしようもない場合は天狗たちのルートを利用したバッタものを探すことになる。


河童達に説明するための資料も作る。
修理部品の調達先などを記して送る。
河童達も相当動揺しているようで、どうやって対応しようと苦慮している。
同等品に交換でも良いのだが、勿体ないが先に行く幻想郷 どうしても交換は厳しい。


浅間が取引中止情報を持ってくる。
すでにお金の支払い先が変わっており、支払先変更の口座番号確認と
身元証明の確認に追われる。
借金取りがやってくるのかと浅間に尋ねたら、ここは借金取りからブラックリスト扱いになってると言われた。
殴り込みに言った奴が逆に口説きもとい 殴られて帰ってきたとのこと。
だれにやられたのかは見当つくだろうから言わないことととする。