□月 ●日  No967 お花見だ


花見の季節である。今年は幻想郷で花見をしようということになり準備に追われる。
とりあえず夜雀に屋台を作るように頼み、食べ物類を搬送する。
幻想郷でやれば朝倉あたりは出席しないかなと思っていたが甘かった。


幻想郷のサクラと言えば殆どがヤマザクラだが、ソメイヨシノも相当入っている。
幻想郷はむしろソメイヨシノよりヤマザクラの方が勢力が高いと思っていたがどうもそうではないようだ。
どちらかというと自主交配するサクラでないにも関わらずである。
この件については恐らく妖精の類がソメイヨシノを育てているのではないかという説が一般的だ。


閻魔様から聞かされた話によると結界維持のタイミングとソメイヨシノの寿命はほぼ一致するらしい。
そのためソメイヨシノが幻想郷でも珍重される結果となったらしい。
一方月の都にはソメイヨシノが存在しない。 持って行ったらそれこそ穢れの象徴みたいな扱だ。
寿命が短い花はお呼びでないらしい。


月の都から届いた酒を準備する。隙間妖怪はこれを手に入れるため大変回りくどいことをしたようだが
こちとら合法的に入手した物だ。
ヴァンパイアの主人が恐らく鬼娘に自慢したのだろう。
なんとしても月の酒が飲みたいという話があって大量に搬入することになった。
月の方ではガロン単位の発注に呆れかえっていた。 


稗田家の厨房を間借りして料理を準備する。 明羅女史たち料理得意軍団が修羅場を演じていた。
重箱に煮物類をなどを詰めて運ばされる。 実にいいにおいだ。
場所取りをしている魂魄たちに物を渡せば任務完了だ。 あとは夜を待つだけとなる。


夜サクラのライトアップをしながら飲み会。
幻想郷ではライトアップそのものが珍しいため妖怪たちが大挙して押し寄せる。
そのための屋台だ。 夜雀がよくやったと褒めてくれた。
相変らず浅間が鬼たちと飲み比べを演じていたが、基本的には顕界とあまり変わらない。
ただし飲み放題の時間制限がないのでほぼオールナイトだ。
途中からグダグダになり、絡み酒がはびこって 明るくなってくるとみんなその場で寝てしまう。


結局この日、夜通し飲み続け後には大量のゴミが残った。
頭痛を我慢しつつ回収。 他の連中はみんなシートの上で雑魚寝していた。
ちゃっかりやってきていた薬屋が儲かったと喜んでいたのが印象的だった。
私も二日酔いの薬を購入。 安く売って貰ったが他の人は2割り増しの値段だったらしい。
ブレザー兎が店番の時に買ってよかったと思った。