□月 ●日  No1014 コロンボと呼ばれた八雲商事社員の手記


かみさんから、風見幽香はどうしてると聞かれたですよ。
いつものように、生意気な妖怪にボディブローをかましていると答えたらくすくす笑ってました。
私のかみさんは元八雲商事の社員なんですよ。


妖怪と接する八雲商事は独身が多いとよく言われますけどね、私みたいにかみさんがいる人もいるのですよ。
いえね、八雲商事は社内恋愛が多いのですよ。 
幻想郷の仕事をしていると必然的に社内恋愛ばかりになってしまう。
幻想郷の話を何も知らない奴にしたら、女の子相手に商売してるとしか思われないからね。
もっともですね、この年齢で女の子相手の商売なんて言ったら下手すれば犯罪者呼ばわりですからね。


困るのが子供時分の仕事の詳細を話せないことだね。
まさか少女妖怪の衣服とか配送しているなんて言えないでしょ。
娘にフリル付きの少女の話をしたら絶対引かれるでしょ。
因果な商売だと思うしかないね。


かみさんが幻想郷に理解があるお陰で結構助かっていると思っている。
やっぱり、幻想郷は危険が伴う割に自分で全てを抱えなくてはいけないのは辛いよ。
どうしても幻想郷の存在は表向き隠していなければいけないから、悩みを打ち明けるのも難しいのですよ。


今一番心配してるのは娘にロリコンって言われるのではないかということだね。
一応仕事でその手のファッション誌を読んだりもするのだけど、そんなもの家に置いてあったら
絶対軽蔑されるだろうね。 


後で知ったがうちのかみさんは風見幽香と仲が良かったそうだよ。
今度娘を紹介しろと言われた。 私が苦笑いしていたらですね。
大丈夫、娘になにかしようとしたら私がとづくって言ってたわけですよ。
嬉しいと言うべきか なんとも複雑な気持ちになりましたね。


でも個人的には娘は普通の会社に入れて、普通に恋愛して普通に結婚して欲しいと思うのですよ。
なぜかって、うちの会社にいる妖怪たちをみればわかるでしょ。 もうね。
朝倉理香子はあの調子だし、北白河も行かず後家コースまっしぐらだ。 
岡崎はもうちょっと社交性があればいけるのではないかと思う。
そういうことなんですよ。