□月 ●日  No1051 正義のサイバンチョ ミルキーエイキー


うちの会社の技術部が深夜まで仕事をしている。
これまで餅が発射される八卦炉などを作っていた連中なので期待してはいけないのは分かっているのだが
企画書を見てぶっ飛んでつい、岡崎のところに駆け込んでしまった。
そこには閻魔様M型装備と書いてあった。


閻魔様の仕事も大変で、裁判結果に納得いかないといって襲いかかる困った妖怪や人間が後を絶たない。
弾幕戦はたしかに妖怪と人間を対等に闘わせるためには有効だったが、裁判所が戦場になる危険があった。
そこで考えられたのが閻魔様の体を守りながら攻撃力を増すパワードスーツ計画。
顕界にもあるにはあるがこちらは身体能力を大きく向上させることができるという。


岡崎が聞いた話はというと、M型装備とは、閻魔様の裁きにも屈しない海千山千の妖怪に対して
圧倒的な火力で制圧することを目的とした強化服を主体の装備だそうだ。
それはいい、ところが仕様書を熟読すると、デリケートゾーンという弱点ばかりが強調して書いてある。
大人だから規制にも安心と書いてあったが一体何が規制されているのかよくわからないときている。
第一閻魔様は私なんかよりもずっと永い時を生きる大人のような気がする。


そういえば、全身メタルのJ装備も酷かった覚えがある。ロボットっぽくなってビームで
亡者たちを粉砕していた。 なんでも月で活動することを前提にした物だそうで
専用の歩き方まで搭載してた。 前に進みながら後ろに下がるアレだ。
本人はノリノリだったが、大気圏突入用に飛行機に変形した際飛行機酔いを煩ってしまって
没になったらしい。


早く焼却処分にしようと考えていると、朝倉が通りかかり制作途中の服を見て
そのまま持ち帰ってしまった。 碌な発明ではないと分かっているのかも知れない。
主犯格の技術部二人は岡崎がけしかけた幽玄魔眼セカンドエディションによって粛正されることとなった。
さすがにあの構造はどう見ても違う目的で作ったようにしか見えなかった。


次の日朝倉にあの服を着たらどうなのか意地悪く聞いたら、
いつもと変わらないと言われてしまった。
何か股の周りがむずむずすると言っていたがこれ以上何かコメントすると本当に
閻魔様のお世話になりそうなのでやめておいた。


     


     
     

ミルキーエイキーネタは 俺と海氏を参考のこと