幻想郷に行くとき、必ず持って行くのが通信装備と小型端末。
普段はポシェットの中に収納されている。 スペルカードを電源代わりに利用して
48時間は利用可能だ。 長期滞在時は何枚かカードを持って行く。
なくしてもいいように財布の中にも何枚か忍ばせている。
これら端末の中には、とある大切なものが封じられている。
うちの会社の業務をサポートするエージェントシステム。 支援AIと呼ばれる代物。
我々はRAYDEEN SYSTEMと呼んでいる。
ヴィヴィットが生まれる際の副産物と言われるこのシステムは、どういう理屈で動いているか分からないが
妖怪から発せられる言霊攻撃を察知して最適な防御方法を提案する。
割とポピュラーな「幽玄魔眼」はお仕置きシステムとしても便利だが他にも数々の支援システムがある。
私が知る限りでも、「Kongara」や「Kikuri」と呼ばれるシステムが実稼働している。
博麗大結界を突破するときも支援システムが働いているところを見ると単なるソフトウェアの類ではなく
中間管理職狐のような存在なのかも知れない。
少なくても結界突破段階で身体的影響が出ないで済んでいるのはこの支援システムのお陰ではないかと
思われるのである。
朝倉の話では元々博麗神社に生息していた妖怪変化の類と言う。
月の民である綿月豊姫はKikuriのシステムを覗いて顔を真っ青にしていたらしい。
そういえば高圧的態度がすこし和らいだ気がするのだが無関係ではないのだろう。
魂魄はあのシステムは危険だからいずれ破棄すべきだと主張している。
彼はシステムは出来る限りオフラインにして利用しているようだ。
博麗神社とも関わりが深そうだし、我々が活用するのはたしかにリスクが大きいような気がする。
魂魄に言わせればあのシステム群の中にとある名前があるらしい。
それは「Mima」という。
それが私が知るあの「魅魔」であるなら
無関係なことではないと思う。