□月 ●日  No1112 心当たり多すぎ


まあまあ平和な幻想郷。あちこちで小競り合いは起こっているが許容範囲内。
ふわふわ漂う氷妖精に話しかけられ、なにを言い出すと思ったら、巨大妖怪だいだらぼっちを
見たかと言われた。


だいだらぼっちと言われるとケロちゃん帽のカミ様が従えている魑魅魍魎の一人である。
研修でそう学んだ。
だからだいだらぼっちがいたかと尋ねられれば答えはイエスである。
だが巨大な姿と言われるととても困る。


心当たりが多すぎるのだ。
うちの会社のコレジャナイロボの可能性もあるし、人形遣いのアリスが作ってる巨大人形の
可能性もある。 ノーレッジ女史が作った面妖なパチュリーロボなるセンスゼロのロボかもしれない。


とりあえず、人形遣いのアリスにその辺の話をしたら自称現人神も同じ事を聞いていると言われた。
これはもしかすればもしかすると、と言うことになっているようだ。
アリスは巨大人形ゴリアテの完成を急ごうと思っているらしい。
河童達やうちの技術部のまともな奴に声を掛ければ完成するだろうというのである。


結局、ボスの許可を取り付けたので、巨大人形ゴリアテは誕生の運びとなったが、
それでも思った以上の大きさにはならなかった。
当然だ。 あまり大きいと魔力糸が人形を支えられない。
しかも、あまりに軽くすると肉弾戦の時に途端に不利になるのだ。


そこで岡崎のアイデアによりコレジャナイロボのフレームの上に人形のボディをかぶせることにした。
絶対やばいと思ったがこれがなかなか上手くいった。 質量問題も自動的に空を飛ぶ仕様も問題ない。
自立式ロボである旧コレジャナイロボはアリスにとっても扱いやすい代物らしい。
開発者よりもつかいこなしているのではないだろうか。


結局、氷妖精に人形を壊されたアリスがえぐえぐ泣くことになるのだがそれは別の話である。
いつの間に氷妖精が剣を出せるようになっていたのは驚いたが、十徳ナイフのようなものだと
聞いて色々納得した。