□月 ●日  No1118 小兎姫の手記 


朝、目覚まし時計ではなく携帯電話の着信音で目が覚めた。
今日は遅番だったから理香子と深夜まで呑んでいたのが祟った。
とても頭が痛い。 トーストと鎮痛剤をセットで喉に通す。


欠伸が止まらないまま出勤。
出勤すると、例の発掘船が空を舞った件で対策チームが出来ていた。
想像通り、彼らは例の彼女を復活させるために動き出したと言える。
タイムスケジュール的には申し分ない。本来は月面戦争の切り札として出す予定だったものだ。
彼らが地上に降りてまで探していたものが幻想郷の空に舞うのだからちょっとした余興に最適だろう。


覚醒作用なら濃いコーヒーよりも熱いウーロン茶だと思う。
マグカップに注がれたお茶を飲みながら会議。
復活に際しては博麗の巫女たちの妨害が予想されるが、かつてと同じように捜し物を
勝手に集めてくれるだろう。西行妖の一件と同じことが起こると思われる。
だから傍目的には静観することになるだろう。
雲居さんたちが逐一状況を報告してくれることになっているからそれほど問題ではないと思う。


ただ、今回の一件でとても心配なのは理香子の動向だ。
昨日も随分荒れていた。例の人に対して「若作り」とか「地底に戻りやがれ」なんて不穏なことを
言っている。彼女に対しては色々あるのだろう。
彼女が居なければマルハチだってなかったのだから、すこしは彼女の業績を評価した方が
いいと思うのだが、多分感情的なものだろうなと思う。


午後、東風谷様の様子を遠目で観察することになる。
うっかり鴉天狗射命丸と鉢合わせる。 東風谷様がはじめて異変解決に動き出すことになったそうだ。
今後迷惑が倍になる可能性があると言って嘆いていた。
たぶんマルハチの差し金だと思う。 


東風谷様は完全にピクニック気分で異変解決に臨むみたいだが、本当に大丈夫なのだろうか
朝からせっせと小さなお弁当を作っていた。 おにぎりと卵焼きという定番メニューだ。
腹が減っては戦はできぬとはよく言ったものだけど気がゆるんでいるとしか思えない。
命を奪われる可能性があるというのに。


数時間後、鼠をぶちのめしたらしく大喜びして帰ってきた。
快感という言葉を聞いて色々な意味でぞっとした。 もしかすると博麗霊夢以上の逸材かもしれない。


いよいよ体調が芳しくないので早めに帰宅する。
風邪と疑われて色々検査を受ける羽目となった。
今はとにかく早く寝たい。