幻想郷に特化した新型の発電装置の実験。
すでに自称現人神のいる例の神社が核融合炉による発電装置を計画しているが
炉が簡単に融解するため、エネルギーフィールドに炉を包まないといけないらしく
思いの外コストが削減できていないらしい。
発電ソースは可能な限り多い方がよいため、ほかの発電システムも模索されているのだが
慢性的な燃料不足はいかんともしがたいものがある。
太陽光発電パネルなどを配置すれば良いという意見もあるが、太陽光発電パネルの材料である
シリコンが顕界のとある国家によって取引できる企業が制限されているという
大問題が存在する。 従ってコストを削減しにくいのである。
朝倉はスペルカードから直接電力を取り出す方法を模索していたようだ。
理論上では弾幕を生成するよりも効率は倍となる。
しかしこの方法は幻想郷で使用するには問題がありすぎた。
一つは電力が安定しないこと、もうひとつは発電できる電力が直流電気だけだということである。
幻想郷でもさすがに直流電気で電化製品を使うわけにはいかない。
確かに直流電気の電化製品は幻想入りしているが、直流電気ではコンセントが使えないのである。
コンセントを使おうものならショートが起こって簡単に回線が破壊されてしまう。
そこでスペルカード発電では12枚のカードを用いて、昇圧ユニットを通して電圧を安定させつつ
そこにインバーターを接続する。 これは太陽光発電パネルとやっていることが全く同じだ。
しかしインバーター装置が高い。 たいした性能がないのに費用だけはとても高いのである。
顕界で使われている道具をそのまま使えることによる量産効果が見込めるので最終的なコストは
減らせるという話ではあるが、眉唾物だ。
肝心の実験だが効果時間を延ばしたスペルカードはきちんと動いた、
技術的には既存技術の組み合わせだから問題ないが寿命が短い。
燃料カードを定期的に補充しないとならず、効率がよいとは思えない。
カード一枚は99秒間しか利用できないらしい。
実験的にはまずまずだったが実用化はまだまだ遠いようだ。
いつかは実用化され幻想郷にも電気が入ってくるようになればと思ってならない。