□月 ●日  No1195 縁日


命蓮寺で縁日。夜店ができ一般市民の憩いの場と言いたいところだが、
実態は色々黒い。 急場を凌ぐために為に建てられた掘っ立て小屋から
男女のにおいが漂ってくるからだ。 


すでに何度かと取り上げられているが幻想郷の一般生活では恋愛の自由はかなり
制限されることが知られている。
自由恋愛は幻想郷ではあまり考えにくいものだ。
これは幻想郷の人口が決して多くないことに起因する。 それでも総人口は
万単位でいるのだが、集落レベルで勘案すれば自由恋愛なんて言ってられないのが実情だ。
顕界における婚活は幻想郷では必要ない。 周辺のコミュニティがそれを決めるのである。
ある意味楽とか言えるかもしれない。


そのフラストレーションをカバーするのが縁日の存在である
無防備で女だけで行けばすぐに男どもが寄ってくるのが現実だ。
では彼女たちに危険はないのかというと、相手が妖怪の可能性もある幻想郷では
そう無茶はできないのである。その辺が良くできている。


もちろん大師様もその辺をよくわかっている。
むしろそれを狙っている。 だからこの縁日で人が集まるのであり
博麗の巫女達一部妖怪は無理にそこに近寄らない。
そう「縁日」とは文字通りの意味なのである。


朝倉あたりになぜ縁日に行かないのかと尋ねると、大師様の思惑に乗っかる気はないと言う。
そんなうちの会社で妖怪人間問わず婚活ブームが訪れている。
商業的なネタとはいえ乗らなきゃ損というノリなのだが
そこで繰り広げられる展開は毎度酷い物だ。


明羅女史だが早くも彼氏と別れたという。 
ファンクラブは騒然となり、一部で歓喜の声が上がった。
技術屋の二次元が恋人と言う奴が本質を突いた指摘をしていたが
ここでコメントするべき内容ではない。


北白河が自分より収入が多いのを条件にしているとか、浅間が実家を継いでくれるとか
色々言っているという噂が立っているが、確かにこれでは幻想郷の男では
適わないと言うのが現状だろう。


もっとも根本的に、縁日の時にできてしまった場合の手続きが幻想郷と顕界で違う。
阿礼乙女が座敷童の話をしていたが、そういうことなのだろう。