□月 ●日  No1219 信仰について


霊能局でカルト教団の掃討があったらしい。信教の自由は何処に行ったんだと言いたいところだが
やっていることは信仰を楯にした霊感商法だったりするのでとても始末が悪い。


例の神社のおねえさんからおもしろい話を聞かせて貰ったことがある。
よく怪しい宗教グッズが高額で取引されることがあるが、それらに効果があるのかって話だ。
結論から言えばあるのである。 信仰と加護は基本的にどんなものであっても平等に効果は出る。
プラシーボ効果の一部とも言えるが、本人が得られる幸福感を周囲のものが評価するのは
極めて困難なのだ。


だからこそ、カミ様という存在はとても厄介と言える。
やっていることが明らかに邪なことでも、信仰している本人が事実上犯罪を犯したとしても
加護、そして報いは平等に与えないといけない。 そこに差別はない。


カルトは資金調達のためにとかく人数を集めたがる傾向がある。
少人数で真理を探るという考えはあまりない。
カミ様にとってはそれは信仰が増えたように映る。
霊能局在籍の巫女から指摘で初めてカルトだとわかるケースもある。


カルトと判明した場合、信仰しているカミ様のイメージは一気に悪くなる。
それでも悪神のイメージでがあればマシだが心が離れるケースがあってどうしようもない。
カミ様にとっては基本事業なのだが世間の評価はそんなことは関係ない。
人間は身勝手なのだ。 特に情報化された現代で信仰は容易に膨れあがるが
簡単に破裂してしまう。 カミ様の維持には継続的な信仰が必要なのに
これではカミ様の維持も危なくなってしまう。
幻想郷に移住したがるカミ様がいるのはそういう事情らしい。


あとで小兎姫に掃討のことを聞いたら、荒事じゃなく単なる家宅捜査だと言っていた。
段ボールを運ぶのがとても大変だったと呻いていた。
難儀な話である。