□月 ●日  No1220 たのしい月面生活


たまのOFFに月面観光。顕界の会社では冷たい風が吹いて酷い有様だったそうだが
ここはいつも小春日和でとても暮らしやすい。
しかし、月面を歩いてみるとハイテクとはほど遠い建造物をしている。
博麗の巫女が古くさい建物と言い切るのもわかる気がする。


ここで月面の社会の特性を簡単にだが説明してみたいと思う。
月面の気候はとても穏やかで温暖である。
昼寝をすればいつまでも寝ていられる感覚だ。
月兎たちが桃を食べながら昼寝する場面を見かけるがそれは仕方ないと思う。


月面の建造物はどれもこれも歴史を感じさせるデザインをしている。
あくまでデザインであり作りはどれもまるで新品である。
月面の建造物には永遠亭と同様に劣化防止の術が掛かっているからだ。
温暖な気候でなければすきま風が吹き込む酷い作りであると言わざるを得ない。
断熱構造とかそういった気の利いた作りもしていない。
そんなことをするくらいならバリアを張ってしまえと考えるのが月流だ。


そのため、老朽化による建て替えは存在しない。 
そもそも物資が乏しい月面で人が生活することを考えたら
大量の資源を必要とする仕様はできるだけ避けたいところだ。
仮に物質を合成できたとしてもそのために必要なエネルギーを勘案すれば
可能な限り、劣化を避けた方がよいと考えるのが月人の価値観である。


物質の合成が可能なことから、月人たちの職業は第三次産業に集中している。。
製造業は月の技術によりほとんどが自動化されてるという。
重要なことは製品をイメージするイマジネーションと言ってよい。
それすら買い換え需要というものがないから古いデザインのものを
ずっと使い続けている。 
物の入れ替わりが経年劣化によるものなのだとわかる瞬間である。


さて、私のような人間が月の都で生活して問題ないかと言われるのだが
浦島とかいう娘が月の都に結構な期間滞在してもそれほど大きな問題にならない
ことから深く考えるのはナンセンスと思うべきである。