□月 ●日  No1223 クリスマスの出来事


12月24日 妖怪の山に巨大なモニュメントが展開されるという。


妖怪の山では妖怪の避難が着々と行われていた。
先導しているのは、自称現人神。 風とのろしを併用して上手い具合に住民一同を避難させている。
この日、妖怪の山では山のカミが巡回するため山仕事は禁止となっている。
独り身組としては、幻想郷でこの聖夜を過ごす方が色々気が楽ではある。
朝倉と大師様組が暴れていそうだが、この日くらいは静かな日を過ごしたい。


妖怪の山のセーフハウスに忘れ物をしたので 残り時間1時間ほどで急いでとって返したら
帰り道で泥棒を発見する。 見つかったら命はないので静かにしていたら、タイムオーバーに
なってしまった。
泥棒達は特に気にしていないようだが、こっちはこれから起こるであろうことを思うと
心臓がばくばくしている。
とにかくやり過ごしつつ、妖怪の山を脱出するしかない。


泥棒達は誰もいない妖怪の山で狼藉し放題だ。
道を外れれば回避はできるだろうが、幻想郷の道にしろ顕界の道にしろ山道を外れたら
とたんに迷ってしまう。
それにしても幽霊が出るべき時に出ない時こそ真に危険だと思わないだろうか。
メトセラ娘が口を酸っぱくして言っていた気がする。


異変は遠くの空から始まった。 謎の光の波が徐々にだがこちらに向かって移動している。
泥棒達も光の正体に気づいていないようだが、気づく前に脱出をはかりたい。
しかし顕界ではクリスマスシーズン。 皆早く帰っているため通信が通じない。
身を隠しながら移動していたが、とうとう見つかってしまい絶体絶命のピンチ。


こちらに向かってくる光の正体を説明したが、全く意に介さない。
しかも私で実験すると言い出している。 本当にやばい。
救いは特に暴行されることがなかったことだ。 抵抗しないのは正解だった。
木に縛られて先に光に当たるようにされてしまったが。


光がいよいよ数百メートルまで近づいてきたところで通信がつながる。
酔っ払った声は朝倉と、大師様だった。 あの二人一体何をやっていたんだ。
とにかく救出してくれと頼んだら、思いの外あっさり許可がもらえた。
光があと50メートルまで近づいたとき、ムラサ船長の碇がロープを薙ぎ
雲山先生に担がれ事なきを得た。


様子を見ていた泥棒達は逃げようとするが一輪嬢に行く手を遮られる。
女性一人だと思って飛びかかるも強烈な蹴りを食らって泥棒の一人が光の中へと
消えていった。 数秒待って闇を引き裂く悲鳴。


雲山先生に乗せられ、空に舞い上がると、厄神様が山の上をくるくる回りながら
天に昇るクリスマスカラーの光がまるでツリーのように天を彩った。
そう、この日妖怪の山はそうやって山中の厄を洗い落とす。 一種の洗浄である。
つまりこの光の波は厄の固まり 触れれば色々な厄がへばりついて普通の人間だったら
数秒もたずに死んでしまうのである。

 
妖怪の山から脱出し、三人は亡くなったであろう泥棒のためにお経を上げたのだった。
12月24日 この日幻想郷に巨大なツリーが出現する。