□月 ●日  No1249 大量入荷


20日直前ということもあり、八雲商事倉庫に商品がごそっと入ってくる。
あまりに沢山入っているので、一部技術部倉庫も間借りしており、彼らからの怨嗟の声が聞こえてくる。
取引先にもノルマがあるので、こうした納品パターンに協力しているのが現状だ。
岡崎が作業スペースがないと愚痴っていたが、私の机の上にも自称現人神に送るあまり趣味の良くない
小物類が乗っかっているのでお互い様だと思って欲しい。


この時期に納品が集中するのは、八雲商事が基本現金ニコニコ払いとなっているからでもある。
商品入荷を済ませて伝票処理を済ませば取引先の口座にお金がきちんと入っているのだ。
取引会社や製造業にとっては現金でお金が入ってくると言うのはとても重要なことだ。
一般の製造業などは一般的に手形を使うことを考えれば、八雲商事の財務環境はとても
健全であると言えるだろう。


勿論、我々の方にもこのルールは大きなメリットがある。
現金取引であることは強い交渉カードになり得るということだ。
一応外部の支援を受けているとは言え、八雲商事は営利企業である。
できれば必要経費は減らすに越したことはない。 
現金取引で大量受注すれば、物資の価格をダンピングすることができるのである。
そうしなければ、とてもではないが会社を回しにくい。


八雲商事では経理処理的に幻想郷に物品を運んだ段階で自動的に商品が売れたものとして
処理される。 もちろんこれでは利益の確定ができないので、取引先からの伝票が入ってこないと
その案件はコミットできないことになっている。
ボスや朝倉からは、○○日の紅魔館行き案件はどうなったというようなやりとりがなされるのである。


北白河は当然大忙しだ。 入荷処理は商管がやってくれるが
伝票の一部は手書きのものが少なくなく、手入力には手間が掛かる。
浅間に応援させているようだが、いつもアルコールを飲んでいるような娘がどうなのかと
思ってしまった。


もっとも倉庫に鎮座している大量の在庫は二三日中には倉庫から消え去っている。
色々とスケールが大きな話ではあるのである。