□月 ●日  No1277 いやそれ違うから

寒い日が続いている。
色々な電子部品の注文を受けたので河童の詰め所に遊びに行ったが、
河童の住処も池が凍って結構大変らしい。
しかし発明大好き河童達がこのまま黙っているわけがない。


どうもうちの会社で持ってきた部品を用いて、池を暖めるヒーターを作るらしい。
電気式の浴室用ヒーターだそうで、よく水槽で使うヒーターをそのまま大きくしたものだ。
効率の悪さから事実上幻想入りしたものである。
灼熱妖怪が作った膨大な熱量の名残のお陰で電力は余っているらしい。


というわけで、電力棒(河城河童が勝手に命名)した謎のスティックを池に投入。
幸い漏電はなく、すこしづつであるが水温は上がっているようで、
中の魚の動きが活発になってきている。
春と勘違いした魚たちが色々心配になってくる。


やがて、魚たちが口をぱくぱくさせながら浮き上がってきた。
急激に上がった温度により、植物プランクトンの活動よりも魚たちの活動があがったのだろう。
酸素含有量低下によって色々な魚が浮き上がってきて
巨大ナマズが姿を現した。 
美鈴女史から聞いたことがあるあの巨大ナマズである。


色々面倒なことになったので、空気ポンプを注文したが届くまで時間が掛かる。
空気ポンプは自称現人神の浄化槽で用いるものなので、幻想郷に容易に持ち込める。
しばらくの間ナマズと河城河童の口論を横で聞く羽目になった。
部品を持ってきた私の責任も問われそうな勢いだったが、幸いそれはなかった。


結局ヒーターの電力を減らすことで両者は納得することになった。
ポンプが早く導入されることを切に願う。