□月 ●日  No1296 敢えて語ろう。


「あなたの替わりならいくらだっている」って言葉がある。
この言葉にショックを受ける人も居るかも知れないが
仮に私に替わりが居るとしてもそれは大して驚かない。 
寧ろそうでないと困るのが会社というものだ。


この時期になると人事異動の話で持ちきりとなるのだが、
幻想郷で妖怪と応対するのは私だけではないことをここでキチンとはっきりさせたい。
幻想郷で仕事をする人間は私だけではなく、私のようなスキルを持つ人間が何人もいる。
この辺を理解できないと組織というものを理解するのは困難と言えるだろう。


中には朝倉のように替わりが利きにくい特殊技能を持つ者もいるが
彼女の知識は現代ではマニュアル等に承継されつつある。
彼女もまた自分がいなくても良い組織作りの為に働いていると言える。


あまり変化が無いように見える幻想郷だが、その変化はなかなかドラスティックである。
要求されるニーズは常に変化しており、何時も必要な物資もあるが
そこには流行廃りも存在する。 ただし顕界と比較するとそれはかなり遅い方となる。
これは情報伝達速度と消費速度に起因するものと考えられるだろう。


会社の面子もそれなりに変わっている。
実は岡崎はポジションが少し変わっているし、私も回される場所が色々変わっている。
玄爺が実質シニア職になっており、最近はあまり日記に登場しなくなった。
私に関係する仕事が減っているので当然の成り行きだ。


最近はスペルカードを弄ることも減っている。
あれは出来ればある程度魔法の知識があった方が良いと思っている。
私もそれなりにスペルカードを弄ることはできるが、直接物体を動かすことができる
新バージョンでは少々難しさを感じている。
雲山を制御できる新型スペルカードをあっさり理解した一輪嬢が凄すぎる。
いや、あれのために制御文法を大きく変えたのが混乱の元か。


それにしても私も最近はかなりすれていることを実感する。
困った事態だけどなかなか上手くいかないねときちんと理解するのが
大人が織りなす幻想郷というものかもしれない。