□月 ●日  No1297 おとなしく寝てろ


大師様がとうとう風邪をこじらせたと言うので薬一式もって幻想郷入り。
そろそろ風邪を引くだろうと思って先に準備していたのでスムーズな出発。
自称現人神も一度は通った道であり、慣れてくると間違いなく起こることである。
用意するのは解熱鎮痛剤とドリンク剤である。
肉体疲労時の栄養補給のあれだ。
もっともスムーズだったのはここまでだったのだが。


命蓮寺に到着した私を待っていたのは弾幕の洗礼であった。
上空を見ると大師様と薬屋が弾幕ごっこをしている。
物陰に隠れながらなんだ、風邪なんて治っているのかと傍にいた寅さんに尋ねたら、
高熱のまま弾幕戦をしているとのこと。
薬屋はナズ軍曹が呼んだらしい。
それでは色々厳しいのではと思っていた矢先、大師様が勝手に墜落して
弾幕戦はお開きとなった。


大師様を運び出しながら状況を尋ねる。
薬屋の話では、熱が酷いので薬を投与しようとしたらいきなり
襲いかかってきたという。
一体何をしたのかと尋ねると皮下注射を試みたとのこと。
それでようやく合点がいった。
1000年間封じられていた大師様にとって注射は未知の治療法。
危害を加えられるのではと思ったに違いない。


失神している大師様に無理矢理解熱剤を注射して今日の治療は終了。
数時間経過するとみるみるうちに熱が引いたらしく、それなりに
元気になっていた。 そうなると治療は早い。
喋れるようになった大師様に何故医者に襲いかかったのかと尋ねると
何故、あの女がここにいるんだと逆に尋ねられた。
すっかり忘れていた。1000年前と言ったら最初の月面戦争の時ではないか。


二人がどういう関係か判らないが、少なくても大師様にとっては
ここであったが100年目といったところだったのだろう。
あとあと面倒なことにならいかどうかが心配な出来事である。