□月 ●日  No1303 ある意味R-18


うちの会社で妖怪と人間のカップルができたのだが、一応男が妖怪という珍しい組み合わせ。
この妖怪、外見は西洋鎧であり中身はがらんどうという世に言うアニメイデッドアーマーという奴である。
うちの会社では兄やんと言われて慕われているがどうでもいい。


元々古城の護衛をしていたそうで勤務態度は至ってまじめであり、まさに好青年という印象である。
彼は幻想入りしたものの幻想郷にはなじめずにいた為ボスに拾われたらしい。
近代化の波により火薬が普及してから彼の肩身は随分狭くなった。
幾ら頑丈な鎧といっても強力な衝撃を浴びせ続ければ身体を維持するのは難しいのである。
彼の天敵も増えた。装甲車や戦車などから対戦車地雷まで金属の身体故に
彼の肩身は狭くなったと言える。


しかし幻想郷も彼にとっては安住の地ではなかった。
空は飛べないし、弾幕を食らっても平気な身体なのに食らったら取り敢えず倒れろと妖精に
バカにされる始末。 鎧であるが故に素早い動きなどできるわけでもなく、天狗のカメラに
納められて危うく躰がが崩壊しかけたところに、風見女史がやってきてボスに連絡を取ったというのが
基本的な流れらしい。


二人のなれそめは、道路のど真ん中。 
轢かれそうになった彼女を身を挺して救ったのだという。 車は大破したらしい。
運転手もきっとあっけにとられたに違いない。


ここまではよい。朝倉がドアホなことをいったせいで二人の仲に試練が訪れた。
二人の子供をどうするかということだ。
当然鎧の中身は空っぽである。
が、朝倉がまあ、なにかを生やそう計画を立ち上げ賛同者が集まった次第。
なぜか隙間妖怪がいるがきっと気のせいだろう。


会議が開かれ、色々なことが話し合われた。
技術的な問題は直ぐに解決したと聞いたときは一体どこからそんな情熱が沸くのかと
疑問に思った物だが、その後ひどい意味で紛糾したという。
サイズや太さをどうするかという話で、大きいことは良いことだとする朝倉と隙間妖怪と
それは痛いだけと主張する面子であーでもないこーでもないと騒いでいる。


仕方がないので奥さんに養子縁組の話をしておいた。
まあ生えれば良いのだろうが、たぶん連中の自己満足で終わるだろう。
旦那はやっぱりそれがいいねと賛同してくれたのでよしとする。
あとで朝倉に何か言われそうだが、サイズで一週間悩むなアホと奥さんがぼやいていた。