□月 ●日  No1370 半月もしたら飽きる


自称現人神一味が新しい商売の一環として意味不明なスポーツジムを開いた。
普段空を飛んで運動不足のあなたに最適と銘打っており、成る程一理あるかと感じ入る次第。


香霖が使い方に困っているトレーニングセットを二束三文で買いそろえて
神社の前に据え付けている。 利用料を取るそうだが信仰と引き替えなら無料でOKという
なんとも足下を見た内容である。


その手のことには目がない北白河とか岡崎たちが早くもスポーツジムに突撃したらしい。
鬼娘を巻き込んで、専用の建物まで作るかなり本格的な代物だとのこと。
河童が新たに作ったミストサウナが一番の売りらしい。


奇麗なお姉さんもいるという噂を聞きつけ助平心全開で行ってみると
何故か一輪嬢がジムのトレーナーをやっていて唖然とする。
結構、割が良いとのこと。 彼女じゃないと大きな声を出しつつ動き続けることが難しいとも言える。


それにしても幻想郷で身体を鍛えたり、ダイエットする必要があるかは甚だ疑問である。
おねえさんが大師様が一枚噛んでいると教えてくれた。
どうやら身体強化に思わぬニーズがあることに気づいたらしい。
よく見ると客は皆私が一度は会ったことがある者ばかり
そう、実は外の世界からやってきた人をターゲットにした商売だったのだ。


自称現人神にとっても外の世界の空気を感じることができるとあって
結構ノリノリで商売をしているようだ。
もっとも実際の経営は河童達が実権を握っているそうだから
洩矢組は単に名前を貸しただけと言えるだろう。


ここに置いてあるトレーニンググッズだが 妖怪用と書かれたボタンがあることに気づく。
試しにエアバイクでそれを試したらびくともしなくてびっくりした。
聞けば妖怪用に幾つかの道具がかなり頑丈になるよう改良したらしい。
スピードが落ちると弾幕が射出されるランニングマシンはどう見ても殺意しか
感じられなかった。


さて私的に肝心のミストサウナだが男女きちんと分けられていて残念無念である。
一応両方も入れるという部屋を覗いてみたら、眼鏡を真っ白にしながら鎮座している
朝倉の姿を発見。 とりあえず君子危うきに近寄らずに従い見なかったことにした。
だめだこいつ早く何とかしないと。