メリー達が提案書を持って行って撃沈されて戻ってきた。
営業職というのは、幾ら苦労しても客に気に入らなければ結局ゼロになってしまう。
やったらやった分だけ貰える職場に就きたいのなら、固定給のサラリーマン職に
せざるを得ないだろう。
提案書というのはよく注文される物をカタログ化したものでそこそこ分厚い書籍になっている。
所謂通販カタログに似たようなものと思って良い。
このカタログ、取り扱う商品を決めるのは我々なのだが、苦労の割に評判が悪かったり
適当に選んだものが大量注文受けたりとなかなかどうして上手くいかない。
もちろん定期的に売れる売れ筋というものはあるが、少々マイナーなものも
用意しておかないといけないのである。
例を挙げるとこうだ。
白玉楼のカタログには、食材もさることながら調理器具のカタログが充実している。
飲食店用カタログから抜粋となっており、消耗が早い調理器具の補充に充てられる。
紅魔館用のカタログは、掃除用品と調度品のカタログが混在している。
調度品は海外メーカーと提携して用意されている。値段は一桁多いものが多い。
このようなカタログ商法は、交渉事になると強い妖怪相手にとって
どんぶり勘定を避けるためにもとても有効だったりする。
心を読む妖怪に仕切り価格を読まれたら色々と敵わないと思えば
どれだけ大変かわかるというものだ。
なにより、カタログを使うことで代金のとりっぱぐれを防ぐことができる。
この分の代金ということできちんと提示できる。
もちろん、物資を運ぶ仕事のシステム上、その価格は不当なくらい安いのだが
最低限のお金は貰っておかないと経済システムが瓦解する。
さて、このカタログ。
博麗神社用のカタログは存在していない。
何故かって?
金額表示いるのに無視して大量注文することが目に見えているからだ。
カタログを渡す相手はきちんと見極めないといけないのである。 なーむー。