□月 ●日  No1393 月兎の食中毒


梅雨の幻想郷。この時期妖怪達や人間の頭をもたげるのはカビが生えた食べ物である。
食べ物が不足しがちな幻想郷の住民は結構何だかんだ言って痛んでいる食べ物も簡単に口に運んでいる。
危なくなったら吐きだしているようだ。


そんな折、月兎たちが集団食中毒を起こしてうちの詰め所に運び込まれるトラブルが発生。
月の都ではこの手のカビなどが発生しないため、皆がろくに抵抗力を持っていないという事実が判明。
たちまち重篤化して、点滴や抗生物質を投与する羽目に。


月の都では結構拾い食いが横行しているらしい。
拾い食いと言っても言葉が悪いかもしれない。
防御柵の代わりに植えられている桃を食べても良いわけだし、
お供えしたものは誰かが食べないといつまでもここに置きっぱなしとなる。
だから拾い食いするしかない。
腐る心配がないのだから問題ないし、むしろそう言う文化だと理解すべきである。


その感覚で月兎が拾い食いをしてこの有様である。
綿月依姫の話では顕界で負傷したと主張する月兎の10%が拾い食いだったとか。
今でこそ拾い食い禁止となっているというのだから胸が熱くなる。


薬屋と治療プランを作成。ここで信じられない事実が発覚。
なんと、食中毒を直す薬の技術が失われており、顕界の方がまだマシだったということが判明。
解析している間に重篤になるので、顕界の対処療法を投入することに。
薬屋を解析に集中させたら今度は治療方法で混乱が起こって大変なことに。
兎が亡くなったらそれこそ外交問題になる。


結局手に負えないほど重篤になった兎を綿月姉に頼み込んで無理矢理帰還させた。
食中毒自体が穢れの象徴であるため、当面は隔離して治療だそうだ。
いろいろ大変だと思う。


とりあえず道ばたに落ちているからと言ってニンジンを食べようなんて無茶なことを
考えた月兎には色々呆れるしかなかった。