□月 ●日  No1394 里香女史の修羅場


朝、突然の呼び出しで目が覚めた。今日は休みの筈なのに。
昨日までお酒を嗜んでいたので頭が重い。 そんなに呑んでないと思っていたけど
朝、散乱している缶ビールの山を見て、ふと我に返った。


出迎えたのは苦しみ悶える月兎たち。 まるで宇宙服のような細菌対策装備をして接触
月の民は基本そういう細菌などの問題が殆どないと言われているけど、この様子は普通ではない。
あの八意永琳がたくさんの月兎の診察を繰り返して頭を抱えている。
たぶん、症状が第二段階になってしまっている者が何人か居て、何の病気なのか推測しにくいのだと思う。
通常 外の世界だって撲滅済みの病気を診察するのはとても難しい。
ノウハウが失われた状態の病気は未知の病と大きく変わらないんだ。


1000時、黒谷氏到着。血液検査の結果を見て顔を真っ青にしていた。
人間だったらとっくに死んでるそう。 死なないで済んでいるのは月の科学力というか
ブレザーに仕込んでいる簡易的な透析装置のお陰だとか。


それにしても、何故こうなったのか考えないといけない。
数刻して永琳が原因の一部をつきとめた。幻想郷で活動する前の予防接種を怠ったからなのだそうだ。
鈴仙・優曇華院・イナバの時のノウハウが通用しないのは当たり前だ。 これは月兎たちの落ち度だと思う。
綿月依姫をホットラインで呼び出して、永琳がマシンガンのように依姫を叱りつけていた。
そんな暇があるなら、早く兎たちを治療しないと駄目だと思うんだ。


1600時、遅い昼食。色々対処していたらこんな時間になっていた。
不思議とおなかは空いていない。 
こんな場合は無理にでもきちんと食べないと駄目だ。修羅場をくぐるときのこつだ。
最後は必ず体力勝負になるんだ。


月兎のうち特に体調が悪い数名を月の都へ搬出。
月面仕様の戦車がここで役に立った。 
戦車と言うよりは、腕もあるから寧ろ巨大ロボに近い面持ち。
シルエットが戦車なら戦車ですよ。


それにしても良く月兎たちがもったというのが個人的感想。
最悪、亡くなったと言ってもおかしくなかった。
八意永琳の到着がもう少し遅れていたらどうなっていたかわからない。
冥界で回収すれば良いのではという突っ込みもあるが
月の都の住民は冥界と縁を切るため色々な儀式を行っており
関係が極めて悪いという裏事情を理解すべきだと思う。


終わったのは2200時 食事の時間を考えれば早いほう。
早く帰ってシャワーを浴びたら直ぐに寝る予定。
明日になったら八意永琳の薬の臨床試験が待っているだろう。
寝られるうちに眠っておくつもり。