□月 ●日  No1397  納期遅れ


朝のミーティング 朝倉が開口一番、商品入荷が遅れたと言い出した。
なんと発注書を出力しておきながら、FAXを送っていなかったらしい。
皆から巫山戯るなというブーイングの中、とりあえず急いで送ってもらったハンドドリルを持って
香霖堂へ急行する。


巻き込まれた可哀想な同僚と一緒に行った訳だが香霖から、入荷予定の紙を無言で指さされて思わず硬直する。
納期が前日扱いになっていた。


会社に連絡すると北白河が対応、なぜか鈍い音が鳴って朝倉はマットに沈められたとだけ言われた。
とにかく同僚と一緒に状況の確認、具合が悪いことにハンドドリルの受取人は龍宮の使いってことになっていた。
最悪商品を直接渡そうと考えていただけにこのパターンは地味に痛い。


香霖がのろしを上げて入荷を知らせると言っていたが、空を飛んでいる妖怪に知らせるには有効かも知れないが
赤とか黒とかのデストロイヤー達にも新商品が入荷したと悟られるので、泣く泣く消火する羽目になった。
同僚が機転を利かせて、比那名居の主人宅へ連絡を取るが連絡が通じない。


八方塞がり状態、いっそ天狗の接続による情報監視システム「ビックブラザー」を使おうと考えるが
大赤字確定なのであまり使いたくない。
今にして思えば顛末書を書くのは朝倉だからあまり問題ではないのだが、
救いの女神は妖怪の山よりもたらされた。


河童からドリルの修理費の請求がやってきた。 なんと龍宮の使いは河童の元を訪れているのだという。
河童は龍宮の使いの希望通りにドリルを修理したそうだ。 
注文したドリルが無駄になることが確定的になり、どう返品処理をするか考えることになった。


普通の発想で行けばまだ未開封なのでメーカー返品も考えたが、香霖が便利なので自分のところで
使うと言い出したので、値下げ伝票で仕入れ価格を下げる対応を取ることになった。
これでなんとか利益を確保したまま、問題解決できそうだ。


龍宮の使いについてはお詫びにお菓子を送ることで合意。
ドリルの姿をしたチョコレートを送ろうと言うことになったが、前のことを思い出しはしないかと
不安になることしきり。


結果的に朝倉が顛末書を書くことで事が運びそうだが、今後は朝倉自身が謝りに行って欲しいと思う日であった。
もう勘弁してくれ。