ネット転載天狗がよりによって月の紹介記事を書くことになって内外で色々騒ぎになっている。
月に関するデマをある程度排除して月の謂われを強化しようとする意図があると
会社でも判断されているようだ。
それにしても何故ネット転載天狗に白羽の矢が立ったのか。
どうも顕界の月面映像を無断転載した際、顕界の記事を参考にしたせいかもしれないが
一番客観的な文面を書いてきたからだという。
ネット転載天狗の書いている記事を初めて読んでみる。
誰が見ても顕界の新聞の社説みたいな代物になっており、
嘘八百書いてある例の鴉天狗と比較すると雲泥の差いや寧ろ比較対象ですらない。
と、言うよりネット転載天狗の記事がまともすぎてこれはこれで面白みがない。
もっと言えば当たり障りがない文章と言うのが正しいのかも知れない。
ここで重要なことは事実をセンセーショナルに伝えるのではなく
起こったことを地味に伝える能力であると言えるだろう。
だから彼女に白羽の矢が立ったわけだ。
写真も月側が用意した特定写真だけを用いることになっている。
鴉天狗が直接かき回して撮影しているわけではないので
映像もとても奇麗だ。 もっともあっちの画像は動画になっていて
それを静止画に差し替える加工処理は行わないといけない。
最近は携帯電話も高機能化しておりその辺の問題は簡単にクリアーできた。
彼女の記事がまともすぎるのは、やはりネット生活が長いからだと思われる。
情報リテラシーに関する思想は顕界の考え方そのままである。
外の世界との軋轢も少ない記事が書けるのは幻想郷ではかなり貴重だ。
一応出来た見本誌を拝見させてもらったら、まるで月側が用意した
広報誌みたいな代物になっていて思わず吹き出しかけた。
これについては仕方ない部分だろう。
今まで秘密のベールに包まれていた月の都が多少オープンになる場合は
こういったところから書くしかないのである。
それにしても月兎の日記記事が酷すぎる。
こいつら訓練と称して食っちゃ寝しているようにしか見えないのは酷い。
それが良いではないかと同僚に言われて微妙な表情をするしかなかった。