□月 ●日  No1421 記憶する乙女


稗田阿求 妖怪や人間における数々の危険度レーティングを行う彼女だが
どう考えても接触することの無いような妖怪のレーティングをどのように行っているのか
疑問に思う人も少なくないはずだ。


一般的に彼女と接触する際は最低限でも身を整えて、ファーストインプレッションを良くしないと駄目だ。
彼女は色々なことを覚えている。 鼻毛が出ていたらそれをいつまでも覚えている。
それが阿礼乙女だ。 うちの社員の一人が「ああ、鼻毛の人ですね」と言われてトラウマに陥っている。
笑い事じゃなくてこういう人物だと理解されたい。


個人的な感想を述べさせていただければ、基本的に直接接触していないほうが割と客観的な結論になっていると
言ったところかも知れない。 
基本的に妖怪と直接接触するのはそうそう出来るものではない。
メイド長などある程度接触可能な存在もあるがそういった妖怪は稀と言って良い。
ちょっと考えればわかることだ。 わざわざ危険な妖怪に戦闘力ゼロな稗田阿礼乙女が直接接触するわけがない。


今の幻想郷縁起の場合だと、明羅女史の意見が結構色濃く反映されているように思う。
その証拠に風見女史の評価が著しく低い点があげられる。
この評価にうちの社員も概ね近親憎悪であると言っており、多分そうであることは間違いないかなと思う。
確かに火力過多で危険な存在ではあるが、私が接触する限り、空気さえ読めばそこまで酷い人ではない印象だ。
もっと別の理由があるのかなとも思うのだが、二人とも公務が忙しく、接触回数が少ないため
誤解を解く機会が少ないのかなと思う。


デスマシン妹君はこれは致し方ない部分だと思う。どう考えたって稗田の阿礼乙女では接触不可能だ。
この辺の情報ソースは霧雨のご息女や取材に応じたメイド長あたりだと思われる。
匿名意見がどうもうちの社員だという話だが、割とどうでもよい。
部屋に侵入した者の意見として彼女はそこまで何でも壊していないと言いたい。
壊したら自分の暇つぶし道具が無くなってしまうからである。 


月の民などとの接触についてはうちの会社が大きく関わっている。
どちらかというと阿礼乙女の身の安全のためというより、極端にレーティングを変更されないための
根回し処理の意味合いが大きい。 何しろ彼女に一度レーティングを付けられるとそうそう
変えて貰えないのだ。
先に挙げた鼻毛の人は未だに鼻毛と言われており、本人も最早諦めたと言っている。


さてさて、ここまで書いたところで本題だ。
初めて阿礼乙女に会った職員が緊張のあまり彼女の前でおならをしてしまった。
後は分かるな。