□月 ●日  No1463 比良乃 旧友と再会する


久しぶりに東風谷早苗と再会した。
彼女は決して知らない仲ではない。むしろ八雲商事の面々よりも私の方が彼女を分かっている自信がある。
よく幻想郷に行く子は孤独な子が多いと言っていたけど、寧ろ彼女はその逆だったと思う。
友人も沢山いたと思ったし、だからきっと寂しい思いをしているのかなと思っていたけど
杞憂だったみたい。 あっという間にここで友人を作って楽しんでいた。
むしろ過去に引きずられていたのは私だった。


外の世界のことを聞かれたので、概要だけ説明しておく。
世界はとても早く動いていてとてもじゃないけど上手く伝わらない。
専らアイドルがどうなったとか、誰々が結婚したけど別れたとかそういう話に終始する。
そしてお互いに彼氏ができていない事実に気づき、嘆息する。


再建された神社には未だに請願書の類がやってきている。
いずれも雨乞いなど天候制御にまつわるものばかり。
まったく人というものはとても身勝手な存在だと思う。


ゲリラ豪雨を防いだら雨が少なすぎると文句を言われ、やれ台風がきただとか自分勝手な都合を押しつける。
あれだけ気象制御が人間の身勝手だと科学者を使ってまでバッシングしておきながら
やってきた嘆願書は窮状が載っているものの底に透けて見えるは利益誘導 我田引水。
なにかに見えるなと思ったら政治家に対する嘆願書だった。 
とても酷い話だと思う。


八坂様にも会うことができたのは大きな収穫だった。 最近実体化の精度が上がってると思うのは
気のせいではない。あきらかに肌に艶がある。 
元気になったのはいいけど、絶対おかしな方向にいってそうな気がする。


そして外の世界に居たときと同様に手合わせしたのだけど、彼女の戦闘能力が格段に上がっていて
あと少しでやられるところだった。 殆ど紙一重の差だった。
もちろん私の陰陽玉もアップデートを繰り返していて死角と言えるところは殆どない状態だったのだけど
やはり訓練ではなく実戦で鍛えているのはかなり違うと思う。


帰りがけに早苗に紫外線防止術なるものを教えて貰った。
空を飛んでいると紫外線が気になって仕方ないのだけど、これはかなり便利だ。
クリームと併用して利用するよ絶対。
それにしても、発案者の霧雨魔理沙はなかなかやるのね