□月 ●日  No1468 問題は別のところにありそうだ


申請が通った。 まさか本当に通るとは思ってなかったので本気で焦る。
取りあえず何があったのかは昨日の日記を読んで貰えばわかる。
大師様が顕界に行ったので、ムラサ船長がなんとしても顕界に行きたいと駄々をこねた
大体こんなところだ。 考えてみればナズ軍曹も一輪嬢も寅さんも顕界をよくわかっていて
彼女だけが顕界がどうなっているのかを知らないのである。
機会があれば行ってみたいと思っていたのだろう。


ここで真っ先に出た問題がどういう服装を着させるかということだ。
下着から上着に至るまで全てが検討対象になった。
朝倉だったら魔法で何かの服装をフレキシブルに着させることもできるのだろうが
ここは専門ということで、北白河と浅間そして岡崎のトリオに任せることに。
下着を着させるのが色々難しいようだが、幸いにして北白河の服が合うことが分かって一安心。
余計な出費を誰が払うかでもめていたからだ。


さて、肝心の大師様の予定表を見ると想像以上に詰まっていて驚く。
観光旅行をしているものとてっきり思っていたのだが、実際はそうではないことが
よくわかる。 ムラサ船長は予定表が書かれていることをかなり不思議がっていた。
電話の概念を説明したところ。お経も伝わるのかと言われてそれも出来ると答えたら
素晴らしい発明だと驚いていた。


肝心の大師様はというと霊能局で局長と面談する予定のようだ。
その間、船長を観光に連れて行くことになり、一輪嬢と合流することにする。
北白河と私と一輪嬢、そしてムラサ船長
私より良い車で颯爽と登場した一輪嬢の運転で観光開始。
どこか特別なところに連れて行くのかと思いきや、単にドライブで済ませるつもりらしい。
降りてトラブルを起こされたら敵わないという配慮からのようだ。


昼食はコンビニエンスストアで弁当を買うことになった。
なんというローコストな視察である。 もちろん買うのは私の役目だ。
何を頼んで良いのか分からないので取りあえず蕎麦弁当を買ってきて食べることにする。
こんなにおかずがあって良いのかとしつこく尋ねるので全部食べて良いんだと言うと
何故か目を潤ませながら食べていた。 
考えてみれば、彼女たちは食べたいときに食べることが出来ない、食べるのに血眼なのである。
好きなときに食べられること。それこそが彼女にとっての贅沢だったのである。


建造物の多さと高さに驚くムラサ船長
平屋ばかりの建造物というイメージの幻想郷からすれば建造物の大きさが全て迫力あるものに
映るようだ。この建物はなんだとばかり口にする。 その都度驚いた反応を示すのが面白い。
北白河も結構話に参加してくれるので楽だ。


一輪嬢に連れられた先は港であった。
一応車から降りないようにという制約だったが、海を凝視する船長の顔が悲しげだったのは
気のせいではあるまい。
最後に見た鋼鉄の船にこれは一体何だといわれて軍艦と答えたら、私は大師様と出会えて
幸せ者だと漏らしていた。 まあさすがの妖怪もイージス艦相手ではちょっと分が悪そうである。


その後の宿泊施設でも一悶着起こしたのだがそれは明日に。