□月 ●日  No1522 ハロウィーン前夜(後編)


ハロウィンを前にして厳戒態勢になっている連中もいることを忘れてはいけない。
幻想郷内で冥界や地獄までもが行き来自由になってしまったため、戻っては困るような
霊魂までもがやってくる可能性が示唆されているからだ。
もちろん彼らは強力な呪縛によって簡単には上に上がることは出来ない。
仮にそういう霊魂がやってきたら迎撃することになっている。


皆が心配しているのは最初の数回を何とかしのいで警備側に油断が出来てないかと
いうことだった。実際には妖怪たちとか仙人が応援してどうにか戻しているので
そこまで油断はしないだろうという話ではある。


一方でここぞとばかりに商売を狙う者たちもいる。
夜雀など屋台チェーンだ。 彼らは地底とか天界からやってくる連中が
地上の食べ物を懐かしがってたべる事に期待している。
結構馬鹿にならないらしい。
なにしろお供えされるのはほとんど定番の食べ物ばかりだからだ。
そればかり食べていれば確実に飽きる。


当然だが生スペルカードも大量増産中だ。
何も書いていない生スペルカード。術者がデュプリケートの魔法と作ると大量増産できる。
これらは妖怪ハンターたちに納入される。
連中にとっても書き入れ時であり儲けどきなのだ。


霧雨のご息女にいたっては新作魔法を披露したいとせっせと論理式を組み立てている。
ハロウィーンは同時に祭りであるので弾幕もより派手な花火のような美しさが求められる。
こうした弾幕花火が流れることが幻想郷内の風物詩となる。 とても美しい。


もっとも霊魂を騙す最も簡単な方法は食べ物でごまかすことかもしれない。
薬屋のところが珍しくお菓子を作っており、子供や妖精に配るといっているが
製造過程で謎の薬を入れているため一応身内には食べないよう提案しておくことにする。
止めたら止めた出色々危険なので効せざるを得ないのは結構きついかもしれない。


まあ、本気で戦争やるような武装でいる霊能局よりはましだ。
最も連中はここぞとばかりに予算を使わないといけないそうだ。
世の中よく出来ている。