□月 ●日  No1613 八雲商事流通センター


八雲商事流通センター。顕界と幻想郷それぞれにあるこのセンターは幻想郷行きの荷物を
具体的に仕分けし、出荷可能状態にする場所である。
幻想郷に行く荷物はどうやっても完全国産というわけにはいかない。 海外からやってくる商材も
多く、それをそのまま幻想郷に持って行くのは無理があるため、ここで再梱包も行われる。
ダースでやってくる荷物は箱を壊されて専用のプラスチックケースに詰め込まれるという算段だ。


プラスチックケースに入れるのはコンテナの容量を稼ぐためである。
列車は随時運行というわけにはいかないので、どうしても最小限の手数で最大限の物資輸送が
求められる。 従ってこと幻想郷行きの荷物については空気を運ぶ訳にはいかない。
よく小さな部品では大きな段ボールの中に梱包材がたくさん入っているなんてことがあるのだが
幻想郷でそんなことをしたらそれこそ迷惑だ。


幻想郷現地で面白い場面が見られるとしたら梱包材、すなわちプチプチの使い道だろう。
基本的に幻想郷でプチプチがあったらそれらは再利用するのが常である。
プチプチの性能はなかなか馬鹿にならない。道路転圧用ローラーでもつぶせない代物だと
知れば河童達が再利用したがるのは当然だ。


ちなみにここで勤めている鬼や河童達は有る程度なら英語も理解している。
実際問題として欧米から納品書 すなわちインヴォイスがやってきているためで
それらが分からないと検品不可能なのだ。
たくさんはこばれた部材を再度パレットに積み直して大きい物はストレッチフィルムで
包んだ後コンテナに運び込まれる算段となる。


面白いのは鬼たちもフォークリフトを利用することだ。
力で運ぶこともできるが、やはり腰を痛めるということだそうだ。
力自慢でも過信するのは良くないことを彼らは理解している。
フォークリフトの免許も彼らはきちんと取得しているのだ。 
人間とあまり外見が変わらない鬼だからできるテクニックである。


かくして幻想郷に様々な物資が運ばれていくわけだが、危険物の取り扱いはまた別の
シーケンスとなる。 後日紹介したいと思う。