□月 ●日  No1643 私はやってない潔白だ


そろそろ新入社員の入社時期であるが、彼らの噂がちょこちょこ入ってくる。
その中で、面白い手段で会社に入った人が噂になるわけだが今回は過去にあったパターンを
紹介してみたいと思う。


うちの会社にも一応筆記試験はある。ここでの出来事。
一つは、魔術でPCと接続していた奴だ。 そいつは魔術で答案を読み込みOCR処理して
ネットで解答を募集していた。もちろん試験管はそういうことを想定していて魔術センサーを
働かせているが、最後まで試験はさせた。
結果はもちろん合格だ。


もっと面白いのはテレパスを使った奴でこいつは不合格になったが、周囲の解答を
読み込んでその通りの解答を書いていた。本当は合格させたかったらしいが特定妖怪との
相性が低すぎることが懸念されての不合格だ。そいつは占い師になっていると聞いている。


千里眼の術でかなりアグレッシブにカンニングしていた奴もいた。
こいつは今回の試験で初めて今までのテストがカンニングで高得点がとれていたことが
判明した奴だった。発覚した後の彼は相当項垂れていたが、もちろん合格である。
そんな才能を埋もれさせる気は全くない。
しかし、彼は自信喪失から戦力になるまで相当時間が掛かった。


このほかにも携帯端末を隠し持っている奴もいたが、そいつは端末の音と姿を魔術で消去
していた。シンプルだが、勿論我々にはバレバレだ。
出たときにきちんと指摘してやるのが八雲商事流だ。
もちろん彼は合格となった。本人は落ちたと思って別の選考に行っていたが、
上手くいってなかったはずだ。この手の術は集中が途切れると発覚しやすいのだ。


ここでポイントとなるのはあくまで問題を解いた手段よりも問題解決能力の方が
重視されると言うことだ。本当のところ携帯端末を持って行っても良いのだが
それをやると試験の意味合いがおかしくなるので、様々な工夫をしてカンニングしている人は
通しているのだ。こういう奴でなければ妖怪と渡り合うのは困難だからだ。


というわけで、普通に試験を受けて通った私が言ってみる。