□月 ●日  No1657 一日遅れの


世間じゃホワイトデーだそうで、うちの会社でも毎年の事ながら訳の分からない光景が広がっている。
まず朝倉が、「頂戴」のジェスチャーをして見せているが、お前は私に何かあげたのかと問いたい。
小一時間問い詰めたい。 机の中にあったのど飴一個あげておいた。
本来0掛ける3は「0」だが あめ玉の形と解釈すればなんとかなるかも知れない。


幻想郷の場合はそもそも妖怪の健康のためチョコをあげるという考え方はないのだが
何かをあげるという発想だけはあるようで、大師様たちが餅を配って歩くなどよく分からない光景が
広がっている。 多分何処かで勘違いしたのだろうが、仕掛け人は一輪嬢であることは分かる。


さて、あの邪悪、もとい豪華チョコレートを渡した明羅女史こそ皆が気になるトピックスじゃないだろうか。
今回の件で、ホワイトデーを扱う日記が一日遅くなったと言っても過言ではない。
阿礼乙女と共同で、明羅女史のホワイトデーがどうなるかを皆でウォッチすることに。
この日のため、エレン女史からカメラの代わりとなる偵察用式神3匹を借りて臨む。


大変なのは彼氏だがここで求婚でもして貰えると社内が割と平和になるのではないかと
専らの噂だ。 まずファンクラブがチョコを貰ってもいないのに色々とプレゼントを渡す。
問題はこれよりも彼氏のチョコが目立つかということだ。


そして彼氏が取り出したのは一本の棒形の箱。開けると中には真っ白な棒が出現した。
それを包丁で切ると、不細工な顔が出現。 金太郎飴かとライブ中継を見ていた魂魄が唸る。
ここから先はロマンチックというより棘の空間が広がったわけだが、
この件について阿礼乙女は、まるで厄神様と恋愛するかのようだと述べている。


今回は多分平和に終わると思っていたが、実はこれには後日談があり
即ち、それこそが次の日に日記を書いた理由になるのだが。 やめておこう。
書くもおぞましい。