□月 ●日  No1662  デストロイヤーに注意せよ


魔法と憩う世界 幻想郷
この土地には妖怪ハンターと呼ばれる人種が存在する。
妖怪が起こしたとされる事件を解決する専門の人種であるが
私に言わせれば、ただの危険人物である。


その中でも特に力が強いと言われているのが博麗の巫女と呼ばれる娘。
陰陽玉と呼ばれる弾を投げつけ、御札を大量にばらまく。
妖怪にとっても脅威だが巻き込まれた方はたまったものではない。


この日、博麗の巫女による弾幕戦に巻き込まれて酷い目に遭った。
道路を移動していると、目の前の地面が抉れていることに気がついた。


まだ新しい。


程なくして自分の周囲を取り囲むように地面が抉れていることがわかった。
上空を見ると、さらに多くの弾幕が降り注ごうとしている。
全筋力を投入してその場から離れる。


視界に民家を見つけてそこに駆け込む。
住民に床に伏せろと叫んで火事場の馬鹿力で畳を持ち上げその下に隠れる。
元々槍や剣を防ぐために作られたものだけにとても丈夫だ。
やがて、屋根瓦が割れる音が家中鳴り響く、
何が起こったのか呆然としていた住人が畳を持ち上げて一緒に中に隠れた。


やがて屋根が破壊され、弾幕が降ってくる。
畳の下に身を隠し、収まるのをただひたすら待つ。
やがて畳を介して衝撃が伝わってくるのを感じながら祈るしかない。
弾幕ごっこは最長でも10分、それが永遠にも感じる。


全てが収まって空を見上げると、天井から空が覗いていた。
天井から瓦が落ちてきて大怪我をした事例があるので、
畳で身を隠しながら外へ出る。
地上はあちこちに穴が空いておりそれは酷い有様だ。
これからやらないといけないのは被害総額の算出である。
それには各種職人さんを呼んで見積もりを取らなければならないだろう。


最近は人里付近で弾幕戦をしないようにと妖怪達に働きかけているが
襲われた時はどうしようもないと口々に言われている。
やはり、赤と白とか黒と白とかをどうにかしないと駄目なのだろう。


夕方になると大工さんが屋根を復旧していた。
日が暮れたら仕事を切り上げる幻想郷の住民だが今日の仕事は長く続きそうだ。
何が魔法と憩う世界だと言いたい。