□月 ●日  No1689 英才教育と称して映画をみるなど


宮内省霊能局 彼らの任務は顕界における幽霊または妖怪の退治または処理
そして各地に点在するパワースポット周りの監視活動など多岐にわたる。
その任務の中に、能力者の養成という業務がある。
彼らからいろいろな資料を借りてきていろいろな化け物の研究や研修を行うのもうちの会社の
業務の一つ。


近年、妖怪たちの行動範囲もグローバル化しており、彼らの知識を正しく
持っていることが、対抗策として最も有効な事となっている。


その中でもゾンビの類というのは結構始末が悪い代物であるらしい。
大量の体系があるし、脳だけが眠っているまたは死んでいるケースでも
広義ではゾンビである。


よって対処方法は多岐にわたるが、手っ取り早く爆薬で吹っ飛ばすのが
基本戦術だとのことである。ダイヤモンドカッターなどで切断するのも
良いらしい。
なぜならゾンビは人間の姿をしていることに意味があるからだ。
確実に人と異質な動きをさせることが人間に恐怖を与える。
逆に人の形をしなくなると、ゾンビはゾンビとしての存在意義を失う。


ゾンビの中には遺体搬出に利用するための代物もある。キョンシーもその一つ。
あまりにポピュラーなので、とりあえず映画を適当に見せて対応策を
見いだしてもらうことが多い。 本来輸送ゾンビなので、高速移動も出来ないし
戦闘能力もほぼ無視されている。 ただ輸送用だけに活動能力は極端に高い。
途中で野垂れても困るからだ。
今では乗用車が発達しているのでメリットは薄い。


うちの会社でも当然キョンシーの映画は一度見せられる。霊能局とか
あっちこっちでも一応見せられる。 対処方法さえ分かっていれば
あまり心配するほどでもない。 


しかしながら、彼らもまたゾンビの種類のほんの一例でしかない。
最近では上半身裸とかウマの着ぐるみ着てゾンビにネックブリーカーをかます
ジャーナリストとかもいるそうだから、案外普通の人でも対処できるとは思う。
実際、おにぎりを投げたらそっちに移動していったし。