□月 ●日  No1698 バーチャル情報収集


ネット転載天狗の表情が暗い。ネットというのは良いことも伝わるのが早いが
悲しいことやショッキングな出来事も殆どリミッタがない状態で伝わってしまう。
ペアレンタルコントロールが出来れば苦労はないだろうが、それをやったら
本人から文句を言われそうだ。


これが永遠亭の姫様とかになると多少の問題にも達観して対応できる。
これは月の民として地上の悲劇や戦乱をあらかじめ観察していたからでもあるわけで
その辺の訓練ができてないと、情報に感化されて自分を見失うなんてことが
起こりうる。


こういう問題は顕界のマスコミでも起こる。あまりにショッキングなことを
取材で得てしまうと、それがトラウマになってしまうのだ。


鴉天狗たちの世界でもそれは同様である。通常なら直接取材してその事実を
肌で感じることで最終的には達観へと至るのだが、ネットの中で情報収集してきた
ネット転載天狗にはその辺の訓練がおざなりになってしまっていた。


ということで現場主義に従い、つらいことも悲しいことも情報収集させるべく
まことに遺憾ながら鴉天狗に頼み込んでそういう場面があるところへ
行かせることにする。


結局どうなったかって、鴉天狗同士の喧嘩を見た現場は大爆笑の渦に
包まれたって話だ。 結局鴉天狗は自分で事件を起こしてそれを
記事にしていたってことか。


うん、ネット転載していたほうが幾分マシだ。