□月 ●日  No1716 ラーメンはうまかった


株式会社八雲商事 ここは幻想郷に物資を届ける企業である。
ここで繰り広げられる昼の風景を紹介しよう。
八雲商事の昼と言えばなんといっても社食だが、近くには幾つかの
外食チェーンや定食屋などが軒を連ねており、皆思い思いのところで
お昼を食べている。


そんな折り近くに外食のチェーンストアがやってきた。
値段が安いということで行ってみたら、なるほど社食とほぼ同等の価格で
そこそこの食事ができそうだ。


この手の店に最初に乗り込むのはおおむね北白河や岡崎たちと相場が決まっている。
彼女たちのレーティングは意外とシビアで彼女たちが合格の判を押せば
おおむね店は生き残る。


このまえやってきた喫茶店は半年足らずでつぶれてしまった。
お店で出されるスイーツがどんどんトーンダウンしていったという。
この辺はよくある展開とはいえ、本当のところを言うとやってきているお店が
八雲商事にいる妖怪に気づくことができるかに掛かっている。
彼らの味覚は人間とやはり違うのだ。


分かっている外食屋は外見を観察したり発言を聞いたり、常連客を
把握することで妖怪向けと人間向けの味付けを調整している。
これが彼らの生き残るすべである。
これに気づいたのは今日久しぶりに外で食べたとき、食べたラーメンに
妙な違和感があったためだ。


私は初めての客だったので人間なのか妖怪なのか判断がつきかねたらしい。
なんか変な味だと言ったら、すぐに人間向けのラーメンを出してもらえた。
うんこれならいける。
1.5人前を食べてしまったのでおなかがふくれたがそれはそれだ。


その話を聞いた朝倉がなんとも言えない表情で私を見つめていたが
私の顔に何かついているのだろうか?