□月 ●日  No1717 内偵がいるそうです 一応

命蓮寺に内偵が入っているらしいという情報を得たので、一応注意して見てみたら
単なる一輪嬢の話だったってオチだった。


幻想郷に宗教の類を持ち込む場合それが妖怪たちの驚異になるかどうかが重視される。
一応妖怪に分け隔てなく相対してくれる大師様であるが、実際に組織が巨大化すると
それとは違う流れがどうしてもできてしまう。
それらを監視する必要がどうしても出てしまう。


小兎姫の話では、そういう連中には支障がない程度の特権を与えて飼い慣らす方が良いという。
顕界でも同様の考え方がなされており、よほどリアリティを失ったカルトでもない限り
この手段でだいたいの宗教団体は飼い慣らせるという。


もっとも博麗神社にしても例の神社にしてもやっていることは宗教の勧誘にほかならない。
しかしながら当の住民たちは信仰を集めると言うよりは妖怪退治を依頼したりで
本当のところバックボーンの力よりも即物的なものを要求している様だ。
つまるところ命蓮寺は幻想郷に舞い降りた本来の意味での宗教団体である。


命蓮寺がそれでもあまり驚異と思われていないのは基本構成員がほとんど
数的に少ない妖怪たちであり、どうしても種別間の問題上どうしても
巨大な勢力になり得ないからである。
むしろその辺の問題としては紅魔館のほうが遥かに脅威だ。
彼らは地元住民との調和をかなり進めているので問題は起こりにくいが
同時につぶしにくいとも言われている。


では命蓮寺の連中がどんな状態か?
だいたい私も把握しているが、先日は写真のフラッシュにびっくりして腰を抜かしたり
電話に驚いて三時間も長電話したり、一輪嬢が持っていたスマートフォンから流れる
ラップに乗った般若心経がおかしいと議論していたりとおおむね平和である。


いつまでもそうであってほしいものだ。
たぶん。