□月 ●日  No1751 ブロークンアロー


ブロークンアロー
それは核兵器事故を意味する言葉である。
核兵器を積載した兵器に問題が発生し、それが国外へ落下した場合を指す。
落下した核兵器は爆発することはない。 あくまで起爆装置をオンにして
はじめて爆発する。おいそれと簡単に爆発するわけではないのだ。


ブロークンアローは一回や二回ではない。
だが一番面倒な場合がある。それは中立地帯である幻想郷に原爆または
水爆が落下した場合である。この場合は取り決めで紛失した国に優先権があるのだが
困った国が出し抜いてやろうと幻想郷に侵入しようとするので始末が悪い。


と言うわけで今回は八雲商事の過去の資料からブロークンアローの時に
会社が取った対応を紹介する。


妖怪のネットワークを甘く見てはいけない。
米帝やら露西亜がブロークンアローの通信を傍受するよりも前に情報を入手している
場合すらある。そして、そうなったときに役に立つのはもちろんあのナズ軍曹こと
ナズーリンである。 大国が彼女を使えないのは当然だ。彼女と連絡を取ろうと
したときにはすでに彼女は現地入りしているのである。


彼女の力と妖怪の上空からの捜索によりあっという間に目的の物は見つかる。
見つかった爆弾はすぐに当該国に報告されて返却されるという仕組みである。
それはどんな国であっても同じである。ならず者国家と言われているところでも
同じように扱う。 彼らは国内で原爆事故があったと報告するのである。


もちろん、たまに幻想郷にものがあると分かって動き出している軍隊が
いたりするのだが、そのときには既に物などないわけで、お引き取りしない
連中と小競り合いが起こる場合があるが、その場合は原爆の持ち主の国に
しっかりと位置まで報告され、帰還したときにまあ色々ある。


ブロークンアローに際しては幻想郷はあくまで中立であるが
記録ではなかったことになっている原爆については引き取ってくれと言われても
困ると後に隙間妖怪が愚痴っていると言われる。