□月 ●日  No1752 バランスと奇跡の限界


幻想郷 それは妖怪たちの楽園と言われると同時に一つのコミュニティである。
異変と呼ばれる所謂災害に際して住民たちはどう生活するのだろうか。


生命は遺伝子を残すことを第一義に考えているものと考えられた。
しかし、博麗大結界設計時にはそれが誤りであると妖怪たちの知恵が指摘していたという。
それは遺伝子の代わりに社会を残そうと考える因子であるという。


たとえば大災害になったときに災害を知らせる立場の人間が自分の死を覚悟した上で
人を救うのは何故かと考える。それは自分たちが住んでいる社会を守ろうという意識が
働くためである。 


一方で、今までエリートと呼ばれたり目立つ立場の人間が変な発言を繰り返す場合がある。
彼らは人とのコミュニケーションを否定して自分だけを守ろうとしているためだ。
何とか自分のポジションを守ろうとしているのが傍目から見て滑稽に映る。


面白いのはそういう滑稽な発言をするのは妖怪ばかりではないということだ。
周囲を蹴り落としてのし上がったが故なのだろうか。 また妖怪たちも災害がくると
皆が助け合うことが確認されている。 災害とは自然のバランスが元に戻ろうとして
発生しているものだと例の神社のおねえさんが言っていた。


面白いことに、平時だと思っている状態はかならずしもバランスが保たれた状態では
ないというのである。
むしろ今の状況こそバランスが崩れた状態であることを認識することが災害対策の
第一歩なのだという。


これは奇跡の力で状況を回復するには限界があることを示している。
元に戻すことは再びバランスを崩すことである。しかし一つのバランスを無理に
ただせばほかに災害が波及する。それを調整することが奇跡の第一歩らしい。


そう、コミュニティシステムでも自然のバランスについてもすべては同様なのだ。
すべてはバランスと助け合いで成り立っているのである。