幻想郷の妖怪たちはなぜ少女の姿をしているのか。
この答えの一部に我々の会社がある。
うちの会社に魔法研究部というのがあるのは前述の通り、そこに変身研究所なるものがある。
これは才能ある妖怪たちが建前上でも人間の姿ができる魔術を研究するところだ。
人間の姿をするというのは意外と難しい。
感覚の変動によるマッチングも難しい。たとえば目を例に取れば妖怪と人間では
可視光線の範囲が違ってくる。これを妖怪準拠とするのか人間準拠とするのか
デザインが必要となるのである。 よって魔術はすべてオーダーメイドであり
失敗すると妖怪の姿を一部分に残したり、酷いケースでは人間以外の何かに
なってしまい、崩壊するケースもある。 人魚姫は最後に泡になったというが
あれは正確には魔術制御困難になり、不定形生物になってしまったという
説すらあるのだ。
ここまでは特に問題ない。
問題は最近の妖怪たちの外見に対する希望がかなり厳しくなったことだ。
皆は疑問に思わないだろうか、現代にいる妖怪たちの骨格が昔の人間ではなく
現代の人間をモチーフにしていることを。顎はどうみても柔らかいものを食べる
現代の人間の骨格をしていることを。
そんなわけで、妖怪たちは自分の姿をカスタマイズしようと頑張るわけである。
もちろん自前で人間の姿になっている妖怪もたくさんいる。
そういう連中は相当の力の持ち主だが、もちろん人間の姿になるときは
ノーレッジ女史の図書館でグラビア雑誌を借りるとか、うちの会社でファッション雑誌を
購入するとかして研究しているのである。
少女の姿になるのは実はその辺にある。変身すると言ってもモチーフに飢えているのだ。
だからみんな似た様な姿になる。結果はこの有様と言うことだ。
内の会社でも少女の姿になることを奨励したってのもある。男女の分のなにかを作るより
女性だけを作る方がはるかに楽だからだ。 そういうことにしてくれ。