□月 ●日  No1824 一応牢屋もあります


幻想郷にも牢屋ってのがありまして。こいつの維持費がえらく掛かって
大変なわけでして。


というわけで霊能局の連中に泣きつかれたので牢屋のメンテナンスをすべく
拘置所に行ったわけで。
基本的に人間も妖怪もいっしょくたにここにぶち込まれている。
基本的に武装した人間は妖怪よりも火力があるのだから当然と言えば当然である。


中に入ると小兎姫が歓迎してくれる。
私の後ろには河童とかウサギとかるーこととかといった工兵軍団である。
妖怪達が脱走しないように警備システムと牢屋を強化するのが今日の仕事だ。


この仕事も実は楽ではない。要は封印処理なのだ。
命蓮寺からのレスポンスがあってようやくまともな技術的素地が出来たと言える。
とはいえ、大師様の封印システムとここでの封印システムは大分違う。
封印してもある程度楽な暮らしができるようにと配慮された封印とは訳が違う。
一応、犯罪者をいれる牢屋なのだ。


主な施工方法は、まず壁材に御札を隙間無く埋め込むべく、専用の枠材を用意する。
それにシートになった御札を貼って、さらにブルーシートで包んでからもう一度御札を貼る。
この上にシートの上に表示された位置にタッカーを打って固定。
その上に鉄筋を入れて、コンクリートで固める。 概ねこんな感じ。


床もかさ上げして同じような処理をする。 かさ上げして足りなくなった鉄格子は
交換するついでに魔術耐性をつけている。元々鉄は魔術耐性があるので、そのままでも
別に問題はないのだが今回はカラーステンレスを採用している。塗膜を利用して
もらいさびを防ぐタイプのものだ。


こうしてできあがった牢屋は真新しくてベッドもきれいになっており
実は生活できなくなったら牢屋に行きたいヤツっているんだろうなと思う次第。
しかし、幻想郷の場合はそれでも駄目なら地獄行きという選択がある。
中の話を聞く限り、地獄に行ったヤツが変なカリスマを持つのは やっぱり仕様のようだ。
ここはここで幻想郷の問題を抱えているようである。