□月 ●日  No1828 幻想宅急便


よく体力があるはずの妖怪達がいるのに我々が品々の配達をしているのは何故ですかと
聞かれるわけだが。


幻想郷で空を飛んでいる妖怪も万能というわけではない。
何か運ぶにしても重いものは重いし、航空力学的に持ちにくいものは持ちにくい。
揚力を奪うようなものを持って空を飛ぶのはやっぱり妖怪達でも骨が折れるのだ。


一方で弾幕システムを使って巨大質量を運ぶ技術はつい最近見いだされたものだ。
妖怪達がこれを利用するには、特定サイズの収納ケースに入れないとならない。
そのためなんだかんだ言ってコンテナで物を運ぶのは列車でやらないとならないのが実情だ。
収納ケースに入らない大きな物は鬼達にお願いして運んで貰うしかない。


実は我々以外に配達専門に仕事をしている妖怪も居る。
中途半端に大きい物を配送する場合や、お店で物を買って運び出す場合に必要だ。
送料は顕界の水準からすれば少々割高かもしれない。
大きな商品を買うときは価格に織り込まれているので買うときは意識する必要はない。


この手の妖怪はまるでホバリングするように超低空で移動をしている。
道上をリアカーで突進している奴がいたらそれだと思えばよい。
道行く人をよけるときだけ若干高度を上げている。見ていてちょっとシュールな光景だ。


それでも危険地帯へは彼らも行きたがらないので、紅魔館など色々な危険地帯は
結局アウトソーシングできずに我々が物を運んでいるのである。
もう、保険もなにも関係ないね。 どう見ても生きて戻ってないから。


そんなわけで幻想郷に物資を運ぶ八雲商事のお仕事は今日も平常運転である
南無。