□月 ●日  No1872 弾幕技術史


スペルカード開発において、自称現人神「東風谷早苗」に採用されたスペルカードは
ひとつのターニングポイントして八雲商事技術部で記憶されている。
ひとつの大きな飛躍があったことを紹介しよう。

スペルカードはしばしば飛行状態で行われる。
すると相対速度の問題で、最終的に自分に弾幕が命中するという
間抜けな事態が起こるケースがある。
それを防ぐためには弾幕に推進装置が必要である。
実は弾幕のサイズには小型化に限界があった。
推進装置を入れるためのスペースがどうしても必要だったからだ。


通常はそれを魔術による制御で可能にする。魔術は複雑な弾幕軌道を設定できないため
弾幕は外から見れば綺麗な花火のように映るのである。
人形遣いのアリスは一部弾幕 すなわち人形を有線制御することで問題を解決した。
さらに大型であるゆえの自立運転機能を設けることで、よりランダムな挙動を実現した。


話を戻そう。東風谷早苗に採用されたエンジンは所謂パーティクル(粒子)弾幕である。
粒子を波のように配置することで奇跡を演出する弾幕だったが、あれは本当に
奇跡だったらしい。どれだけ自爆リスクが大きい弾幕なんだと言いたい代物だ。


さらにケロちゃん帽のカミに至っては、食べ物の類を投げているという有様だ。
もちろん特殊な処理を行った米だったりするので破壊力は下手な弾幕よりも
威力がある。さらにこれら弾幕の最大のメリットは、弾幕を放った後に
回収する必要がないことである。 面倒な回収を時間をわざわざ止めて行う
メイド長とは酷い違いだ。
放った弾幕は小動物たちに餌となる。これが彼女の期待していることでもある。


そんなわけでこんな小弾幕に対して推進装置が付けられたのが、今回のバージョンだった。
推進装置を小型化し、短距離運用とすることで問題を解決した。
ちなみにその実験台に立ち会ったのがあの秋姉妹であるというところに
あの異変の縁を感じるのである。 
弾幕は現在、種芋を広範囲に植える技術に昇華されて運用されているという。