□月 ●日  No1876 最近までは常識でした。


ゾンビ製造器が、小兎姫のところに捕縛されたと聞いて引き取りに向かうことに。


機嫌が悪そうな小兎姫に事のあらましを聞いたところ、バングなるものを博麗の巫女に渡そうと
したとかなんとかでとにかくまずいことは分かった。
ゾンビ製造器曰く、貴重で大切な物だから取り上げないでくれという。


で、こいつ、本当のところなんなのと小兎姫に尋ねると。ガンジャをすりつぶした汁と言われた。
ガンジャって何ですかと尋ねたら大麻と言われた。
とりあえず全て納得した。


ゾンビ製造器に言わせれば、なぜ巫女たる存在が大麻を用いないのかと納得いかないという。
通報したのはなんと自称現人神だと聞いてさらに驚く。そういえば自称現人神は理系で
薬物とりわけ鬱病とかの薬には妙に詳しかった覚えがある。彼女の名誉のために言っておくと、
彼女は彼女なりに自分の身の回りで起こっている奇跡を科学的に理解しようとしたのだ。
ゆえに自称現人神は理系を選択したし、その手の薬品についての造詣も深いわけだ。


閑話休題


ゾンビ製造器にはこればかりは時代が変わったと言わざるを得ない。
現代では大麻がもたらす影響はある程度認識されているが実のところ幻想郷でさえ
大麻が取り締まり薬物に変わったのは博麗大結界が現代の姿になって暫くたってからである。
米帝に視察に訪れた隙間妖怪がこれは駄目だと言って大麻使用をやめさせた経緯がある。
そもそも幻想郷ではトリップする必要がほとんど無いだけにこの指摘は至極当然のような
気もする。


当然、ゾンビ製造器にその辺の事情がわかるわけもなく、彼女に言わせれば
巫女たる者がなぜ大麻を用いないのかと疑問に思うのはむしろ当然のことである。
もちろん、彼女を説得する方法はとても簡単だ。


博麗の巫女は大麻を用いないことで強くなる方法を見いだした。
これが結論である。 これにはゾンビ製造器も驚嘆の声をあげた。
小兎姫が後ろで「いいのかそれで」と言っていたが たぶん大丈夫だ 問題ない。


かくして、ゾンビ製造器は用いていた精神系薬物を一切使わないことにしたのだが
果たしてこれで良かったのかは後の話である。