□月 ●日  No1895 妖怪の能力応用


幻想郷の妖怪には色々な能力が備わっているらしい。
もちろん糞の屁にも役に立たない能力が大半であるのだが、中には応用次第でとても
有用な効果を持つものもある。


一例を挙げてみよう。
ゾンビ製造元の能力である壁抜けの能力。技術的にはかなり高度な物質置き換え技術というものだそうだ。
この能力の最大の特徴は物質が置き換えられている間も、標的の機能は損なわないというところである。
断面には手を出せないがこの技術は色々な部分に応用できるとしてかなり注目されている。
具体的には非破壊検査に利用できる。
実際に機械が駆動している間も中身を参照できるので、なんとかエミュレーションできれば
と周辺関係はかなり血眼になっている状態だ。


そうすると中にはアホなことを考える研究機関も存在する。
そもそも八雲商事には複数の研究セクションが存在している。
この日記中にも幾つか紹介されているが、結構色々な分野で研究開発が行われている。
朝倉のコスプレ魔術もその一つで、こちらはスペルカードの実験にしか使われていない。
もっとも朝倉の真似をするほうが能力再現よりも遙かに面倒であることは確かだ。


閑話休題


すなわち応用が利きやすい能力は結構研究材料になるので、その謝礼金が意外と馬鹿にならない。
ゾンビ製造元が、ここのところ野垂れ死んでないのはどうもうちの会社にもパラサイトしている
からだと分かって頭が痛くなった。
確かに彼女の能力は研究に値する。彼女の述べるノウハウは嘘ばかりで問題が多いが
嘘もたくさんついていれば、その方法論は避けるべきであるというノウハウが貯まるという。
避けるべき理由が分かれば、今度は彼女の能力を包括的に理解できることになるわけだ。


かくして、とても限定的だが幻想郷限定の非破壊検査システムができあがる予定。
当面のクライアントは河童たちだが、このシステム。地底に眠っている核融合炉などで何が起こっているのか
とか見られるので今後の応用が期待される。