□月 ●日  No1928 だからぼったくりではありません


抗生物質の話をしておく必要がある。幻想郷で抗生物質が導入されたのはきわめて早いタイミングだった。
が、すぐに使用が停止されたらしい。妖怪達の中には細菌類がいち早く抗生物質に対応できることを
見抜き、ここぞというタイミングで使用しないといけないと主張されたからである。


従って幻想郷住民は概ね化学薬品が効きやすい。これは本当に必要なタイミングでしか使用しないからだ。
しかし全くゼロではないため、やはりどこかで耐性はついている。
意外に思われるかも知れないが命蓮寺の連中はほとんど顕界の人に近い薬物耐性をもっていた。
実は地底、とりわけ魔界ではお金さえ積めば顕界同様の薬物が買える。一体どこから手に入れているのか
大いに疑問だが、魔界の物質を生み出す神まがいの連中が薬を材料だけでどんどん複製できてしまうと
言っていた。その気になれば顕界に輸出して製薬会社の多くを倒産させることができるらしい。
もちろん違法複製であるが。


薬といえばなんといっても月面人だろう。綿月豊姫が体調不良を訴えたとき、渡された薬とやらが
あまりに量が多くて壮大に噴いた覚えがある。これらはなんと化学薬品からナノマシンに至るまで
さまざまで、その種類はとても多い。ひとつひとつが体細胞の動きを回復させるために必要だと
いうことで年齢の割に信じられない若さを保っているのはひとえに薬漬けであるからだ。
ただの風邪なのにまるで多数の病気を抱えた重病人のような薬を与えられるのはかなりびっくりする。
もっとも複数日分渡されるのではなく あくまで一日分なのでその点は楽だろう。


薬が効きにくいことがわかったのはなんと言っても3馬鹿だろう。
碌な薬がないのになぜ効きにくいのか、遺伝で効きにくいと思う人も居るだろうが
人体実験的に変な薬を服用しまくったからである。
ゾンビ製造元が必死に変な薬を中和しないと駄目だったと言うくらいなので
相当酷かったと言えるだろう。
その点に関してゾンビ製造元はわりときちんと仕事をしていたと言える。


八雲商事と密接な関係になる前の薬屋は結構魔界から薬を仕入れていたという。
たまに魔界の方が安くて(原価が安いので)しばしば叩かれるのはご愛敬と言うべきなのだろうか。
もうちょっと何とかして貰いたい者である。