□月 ●日  No1933 返却作業


霧雨魔理沙の家に眼鏡を掛けた北白河が現地入り。 彼女の眼鏡は所謂プライベートアイの類であり
眼鏡そのものはカメラでもある。
彼女がこの霧雨魔理沙の家に入ったのは一応大掃除のためである。
彼女を説得するために概ね一週間ほど掛けた。彼女の周辺の人物から説得して貰い最終的に
大掃除にこぎ着けた。
もともと霧雨店の主人からの強い要請があったためだが、本当の理由もある。盗まれた色々なところの
盗品の類を調べ上げ、使ってなさそうなものは処分すると言って元の持ち主に返すのである。


話を元に戻す。彼女が持つ眼鏡は最新の画像検索エンジンが搭載されたハンドベルトコンピュータであり
盗品リストから照合して本当は誰の持ち物かを検索するのである。
勿論全部返して貰うわけではない。彼女が行っている研究に関係する資料はしっかり残す。
これが現代の大掃除というわけである。


さて、彼女の家は煩雑と言えば煩雑 整理されていると言えば整理されている。
そうした実践的魔術師の家そのままであった。とはいえ物量の多い彼女の家を掃除することは
並大抵のことではない。そこで用意されているのが人形遣いのアリスが操る人形部隊である。
視覚は彼女と接続されており、肉体は実は彼女の自宅に置いてある。
かくして彼女の家の大掃除が始まった。 まずは物の整理である。 起動中の実験資材は
動かさないようにしつつの作業だ。


やがて幾つかゴミが出る。ゴミを外に出している間に異変が起こった。
なんと妖精達が霧雨のご息女に喧嘩を売ってきたのである。


これ、実は妖精達をお菓子で買収してのシナリオ通りの動きである。
妖精達は時間を可能な限り稼いで、その間に北白河と人形部隊が盗品を運び出すのだ。
まさにコンビネーションプレイである。
それにしても盗まれた物がかなり酷い。多いのはやはり紅魔館のものでさらに香霖堂から持ち出したものも
ある。香霖堂から持ち出された物は日用品ばかりで無いと本当に困りそうな物は処分しない方針。


とはいえ、その量は相当な物である。それらをスペルカードの弾丸装填システムの応用で
カードに送り込む。隙間妖怪の力を使えば一気に作業が捗るだろうがあいにく今は冬だ。
冬になると隙間妖怪の活動能力は極端に減る。一般に冬眠しているという話だが、実際のところ
顕界の業務が冬に集中する都合上でもある。年末年始、期末処理、八雲商事の基本的経営判断
集中しているからなのである。


そんなわけで霧雨魔理沙が妖精達との弾幕ごっこを演じている間に大掃除を終わらせた。
すす払いと一般的な掃除をして、本人は綺麗に整理されたと満足げだったが、それも当然。
物が減ったからである。 余計な計らいかも知れないが、朝倉のアイデアで今の研究で必要な
資料をちゃっかりすぐに分かる場所に移動しているが、さて上手くいくのだろうか。