嘘のような本当の話。
顕界において人間が空を飛ぶというのは色々と問題が多い。
航空管制的な問題とかもあるし、昔は空を飛ぶ人間を拉致してどのように空を飛ぶか
調べるなんて事もあったらしい。たしかにスパイ行為などをすることを考えると
空を飛べた方が確実に侵入できるというものだ。
自称現人神についてもご多分に漏れず、空を飛ぶものとして色々な法規制を
受けている。これを言い出すと浅間もそうなのだそうだが、浅間の場合は
無免許で空を飛んでおり、八雲商事入社後コンプライアンス問題で
ライセンスを取得させている。
空を飛べる人間になったらどれだけ大変か。
まず自分が空を飛べる場合は、運輸大臣の許可が要る。
世の中には航空法というけったいな法律があり、当然だが登録がない場合は
ライトプレーンなどと同じ扱いとして特定宙域でしか飛ぶことができない。
自称現人神が空を飛ぶに際しては、背中にパラシュート装置を装備しないと
いけなかったりする。糞不便だが仕方ない。
大臣の許可では高度制限も受けており、パラシュートなしではGLより
2メートルまでの飛行が許可されている。
高々度飛行の場合はどうだろう。
具体的にはスカイダイビングと同じ扱いとなる。
宙域は限られており、耕作地などアウトエリアに着陸した場合は
ペナルティが与えられる。
これは妖怪も同様で、人間型を取る限りは人間の現行法に
従うことが決められているらしい。
この点については妖怪達が自分たちで決めた法を大臣が追認しているようだ。
自称現人神が初めて空を飛ぶときは例の神社のおねえさんが、インストラクター
扱いとして一緒に飛ぶなどして対応していたらしい。
ややこしいのだが、法的限界だから仕方がない。
それでも冴月みたいに自らを航空機として取り、ランプまで搭載している猛者も
いるのでなかなか侮れない。
余談だが露西亜では、同じような空を飛ぶための実験が数多く行われたが
事故が多すぎてあえなく失敗に終わっている。
幻想郷でもなければ人間が単独で空を飛ぶのは基本御法度なのである。