□月 ●日  No1986 すべてのものには理由がある


妖怪達は想像以上に科学知識について理解している。
これは河童たちの動きを見れば理解できることだ。
現代の科学は実験科学の世界からより理論的で数学的な世界へとシフトしている。


科学が妖怪の存在を否定するというものがいる。
実態は違う。科学によって判明した真実はおおかた妖怪達にさらなる力を与えることが
研究でわかってきた。科学によって判明した真実があったとしても人間の恐怖や感情は
別問題だからである。
そして妖怪達は、科学という名の謂われを利用して物理法則をねじ曲げることが
可能だと悟った。だからこそスペルカードシステムが生まれたのである。


妖怪が幻想郷へと追いやられたことについて真実があるとすればこうだ。
妖怪は科学によって存亡の危機に陥れられたのではなく、むしろ能力が強化されて
しまうのではないか。
それは妖怪にとってあまり良いことではない。
短期間のうちに自分の能力に謂われができれば自分の能力の応用を探る内に
勢力図が大きく書き換えられるし、新たな問題も発生しやすくなる。


スペルカードシステムが何故生まれたのか私個人の見解ではあるが
おそらく、妖怪達が本来持っているポテンシャルから遠ざけることが
スペルカードの本当の意味なのではないかと思われる。
妖怪達が本来持っているポテンシャルを引き出すことは決して悪くないことではあるが
それが事故を引き起こすことはよく知られている。


そういう意味ではスペルカードシステムとは月面人との戦いのためという側面もあるが
むしろ力に対する足枷なのではないかと思われる。


スペルカードシステム開発者の面々に一度尋ねてみたいことである。